『キングダム』第875話では、飛信隊がついに李牧の第二防衛線を突破し、趙国内部の空白地帯へ進攻する様子が描かれています。
飛信隊が趙国内部へ進軍する中、楚水は自らの役割を理解し、信と河了貂に進言します。
楚水は、自分達が南下して羌瘣軍を止めている敵軍の裏へ回り、羌瘣軍の突破を支援すると提案しました。
河了貂はこの進言を即座に了承します。
信が「楚水隊だけで大丈夫なのか」と尋ねると、河了貂は、羌瘣軍は一点突破を得意としており、楚水隊の援護があれば必ず突破口を開けると説明しました。
その上で、本隊である飛信隊は、敵軍のいない空白地帯を利用して、一気に趙の中心部を目指す方針を取ります。
一方、趙国内の白尾連山では、見張りをしていた趙兵達が、黄呂山に狼煙が上がっていることに気付きます。
それが第二防衛線突破を意味すると理解した趙兵達は、慌てて内部へ知らせるため、自分達も狼煙を上げました。
趙の小都市・乙陽では、白尾山からの狼煙によって緊張が走ります。
さらに追加の狼煙が確認されたことで、守備兵達は敵襲を察知し、警鐘を鳴らして城主への報告を急ぎます。
しかしその直後、城外に秦軍の旗を掲げた飛信隊が現れたことで、城内は一気に混乱状態となります。
住民達は警鐘を聞き、男達は武器を持ち、女達は子供を抱えながら地下へ避難していきました。
ですが、飛信隊は乙陽を攻撃せず、そのまま進軍を続けます。
① 李牧さん、結局何にもバックアップ準備してなかった説
動揺する兵士達に対し、河了貂は、乙陽には元々自衛用の兵しかおらず、さらに今回の戦争で多くの兵が動員されているため、ほとんど戦力が残っていないと説明しました。
今回かなり気になったのがここです。
飛信隊が第二防衛線を突破した後、趙国内部がほぼ空白地帯になっていました。
実際、作中でも、
- 小都市乙陽には自衛兵しかいない
- 森林地帯にも敵影なし
- 狼煙リレーで慌てて内部通達
- 追撃部隊も見当たらない
という状態になっています。
つまり、
「突破された後」の設計がかなり薄い。ように見えるんですよね。
第一・第二防衛線に全賭けしていた?
河了貂の説明によれば、李牧は今回、
- 第一防衛線
- 第二防衛線
に戦力を集中投入していたようです。
つまり逆に言えば、
「そこ抜かれたら後がない」
構造だった可能性があります。
現代軍事的に言えば、
- 縦深防御不足
- 機動予備戦力不足
- 後方遅滞戦術不足
みたいな状態にも見えます。
ただし、まだ李牧さんは無能確定ではない
とはいえ、ここはまだ断定できません。
むしろ逆に、
- わざと飛信隊を通した
- 深部へ誘導している
- 邯鄲近辺で包囲する
- 補給切れを待つ
可能性もあります。
実際、今の飛信隊は、
- 敵地孤立
- 歩兵遅延
- 補給線不安
- 攻城兵器なし
という、かなり危険な状態です。
なので現時点では、
「李牧が穴だらけ」なのか
「李牧が罠を張っている」のか
まだギリギリ判断保留、という感じです。
で、その後、先行していた斥候から報告が届きます。
前方の邑にも軍勢の気配はなく、森林地帯にも敵影は確認されないとのことでした。
これに対し河了貂は、今回の戦争で趙軍は第一・第二防衛線へ戦力を集中投入しており、本国内部の兵力が極端に薄くなっていると分析します。
信は、自分達がその防衛線を突破したのだと実感します。
ただし河了貂は、大きな城は避けながら進軍していること、そして最も危険なのは李牧が城主を務める巨城・武安であると説明しました。
武安はまだ遠く、李牧も主力兵力をそこへ集めているはずだと語ります。
その頃、我呂は河了貂に対し、このまま進み続ければ歩兵隊と分断される危険があると指摘します。
河了貂もそれは理解しており、歩兵が安全に進めるよう騎馬隊が先行して索敵しているのだと説明しました。
その上で、敵がいないことも確認できたため、一度速度を落として歩兵と合流すべきだと信へ提案します。
② 李信『昂る』
しかし信は、「昂る」と口にし、自分達の力だけでここまで趙奥深くへ進軍したことに強い高揚感を覚えていると語ります。
李信『昂る』⇒ついに本命、昂クン本格投入
今回かなり印象的だったのが、信の
「昂る」
というセリフ。
これ、かなり重要だと思います。
これはかなり大きい変化です。
本能型武将としての覚醒演出
さらに今回の信は、
- 歩兵との同期
- 隊列維持
- 合理性
よりも、
「もっと先を見たい」
という衝動で動いています。
これは完全に本能型武将の演出です。
しかも『キングダム』は昔から、
- 火
- 感情
- 本能
- 名前
- 言葉
を重ねて演出する作品。
そこで、
「昂る」
を単独セリフとして切ってきた。
偶然というより、かなり意図的な演出に見えます。
この点は、次回、土曜日の予想編でも深堀したいと考えています。
ところで飛信隊だけ邯鄲着いて何ができるの?
さて、李信の意見に、河了貂も信について行くことを決め、我呂は文句を言いながらも同行しました。
一方その頃、録嗚未の陣営にも、飛信隊が防衛線を突破したという報告が届きます。
さらに羌瘣軍と楽華隊が趙軍を引き付けたことで、飛信隊はかなり奥地まで進軍しているだろうと伝えられました。
それを聞いた録嗚未は、飛信隊が自分達を出し抜こうとしているのではないかと呟きます。
翌日、飛信隊は引き続き趙国内を進軍します。
周囲の邑を無視しながら進む中、歩兵隊は先行する騎馬隊が足を止めていることに気付きます。
敵軍が現れたのかと考え、急いで追いついた歩兵達が目にしたのは、これまで見たこともないほど巨大な城でした。
尾平が信に「あれは何だ」と尋ねると、信は視線を外さず、「趙国王都・邯鄲だ」と答えます。
邯鄲を目の前にした飛信隊の兵士達は、あまりの光景に言葉を失います。
そんな仲間達に対し、信は「ついにここまで来たぞ、飛信隊」と声を上げました。
それに応えるように、飛信隊の兵士達は武器を掲げ、歓声を上げるのでした。
ところで飛信隊だけ邯鄲着いて何ができるの?
今回の、最大の問題がここです。
いや、邯鄲どうするの?
飛信隊はついに邯鄲へ到達しました。
しかし冷静に考えると、
「だから何ができるんだ?」
問題があります。
飛信隊単独では王都攻略は無理
理由はかなり単純です。
■ 攻城兵器がない
王都攻略には、
- 攻城塔
- 破城槌
- 投石
- 包囲設備
などが必要です。
しかし飛信隊は完全な機動突破部隊。
そんなものは持っていません。
■ 兵力が足りない
仮に数千〜1万規模でも、王都攻略は不可能に近いです。
歴史上の首都攻略は普通、
- 数万〜十数万
- 長期包囲
- 補給維持
が必要になります。
■ 最大問題は補給
そして何より、
飛信隊は敵地のど真ん中。
つまり、
- 帰り道が危険
- 補給線が長い
- 包囲されやすい
という、かなり危うい状態です。
長期滞在はできません。
では邯鄲到達の意味は何なのか?
恐らくここで重要なのは、
「軍事的制圧」ではなく
「政治的・心理的衝撃」
です。
つまり、
- 李牧防衛線突破
- 趙王都目前到達
- 趙国内パニック
- 李牧神話崩壊
これ自体が巨大な意味を持つ。
首都近郊侵入はそれだけで価値がある
実際の歴史でも、
「敵軍が首都近郊へ現れる」
だけで、
- 民心
- 王族
- 官僚
- 国内政治
- 士気
に大打撃を与えます。
つまり、
「落とせなくても意味はある」
という作戦ですかね??