(成蟜 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第23話から)
山の民が騎馬で一斉に下山。
河了貂は政に乗せてもらっていますね。
信が初めて馬に乗る場面が描かれています。
下山する前に、多少なりとも練習させてもらえなっかったのでしょうか?
落馬寸前の信に、壁が「手綱を引け!」とアドバイスをしてくれていますが、いまさら手綱引いてどうにかなる状況とも思えないほどの、お約束のようなアンバランスな乗り方の信です。
考察-初期の山の民について
さて、キングダム作中の山の民がどういった種類の異民族かはあまり作中では明らかにされていませんが、比較的、馬に乗っている者が多いので、彼らも北方騎馬民族の類に近い異民族の連中なのでしょうか?
この頃は、メラ族やらフィゴ族といった部族は糾合されてはいないので、仮面のデザインや体のイレズミも殆ど似たデザインです。
今思うと、この第23話にいる山の民の戦士たちが、今後、飛躍的に勢力拡大を果たし、後のギョウ攻め編の際には6万人規模の軍団の中核を担う連中であると振り返ると胸がアツいです。
・山の民の武装
いつも思うのですが、この頃から、山の民の装備って、仮面に腰蓑が基本兵装になります。
武器になる獲物については、バジオウやシュンメンなどは平地で鍛造されたような剣、金属製の武器を装備しているのですが、それ以外のタジフやらその他の連中は木材と石材を組み合わせただけの原始人武装で戦っているような者がかなり多いです。
例えば、巨大な質量と敵と戦う際に非常に強力な衝撃が発生するであろうタジフの石球ですが、その石球を支えるのが細い木の柄というのが、長年、非常に気になるところです。
信が閉じ込められていた牢屋もそうですが、恐らく金属と同等なのか?それ、一体なんの木でできているの?と聞きたくなります
そして、その金属レベルの硬度と靭度を伴う木材を兵器素材として産出できる山界もまた底知れぬ国力を秘めています。
そんな金属のように固い木をどうやって加工したのか?
単純に武力以外でも、彼らの生産力を支える技術や背景などにも、是非、今後作品の中で触れていただきたいところです。
楊端和を山の民の協力を得た、政が、昌文君たちが待機する穆公の避暑地に向かって一団と共に進みます。
考察-やりたい放題の成蟜
さて、その頃の咸陽ですが、王宮内では捕獲された昌文君の私兵たちがランカイの手によって虐殺にあっています。
素手で人間の肩口から上半身を引きちぎるランカイですが、成蟜にしてもよくこんな奴を調教できたな?と思います。
調教する過程で何か管理ミスがあれば、成蟜自身がランカイにブッ殺されていた可能性が非常に高いです。
ホントよく、死ななかったな…。
ある意味で機転の利いた官僚とかがいたら、「ランカイ逃がして事故に見せかけて成蟜様殺しちまおうぜ。」とか言い出す奴とかもいたかもしれません。
また、後記されるようにランカイが幼少のころ闇商人に珍種の猿とされて売られていたと表されるのですが、その闇商人たちも何処でランカイと遭遇したのか気になるところです。
恐らく、古代中国の何処かにギガントピテクスの生き残りが生息している地域があって、そこでランカイを捕獲したと脳内補完するとしましょう。
圭さんという、昌文君の配下の方をはじめ成蟜が見下ろすなか、ランカイの犠牲になる方々ですが、いずれ自身の主である昌文君の復権を信じる中、その昌文君が死んでしまったと聞かされてしまうのは、相当精神的に心が折られるコトだったと思います。
第13話で描かれた王騎将軍の乱入は、目的としては昌文君の生存確保の為の力試しを兼ねた偽装だったわけですが、
漂が死亡するコトにも関連しただけでなく、こういった側近の方の死も兼合いにすることで成立している乱入だったと考えると、やはり王騎って優しくてスゴイ人ではあっても単純な方ではないことが改めて確認できます。
最近は、王騎のカッコよくてキレイな部分が語られることが多いですが、常人では計り知れないコワイ奴、狂気の部分も持つ武将であった点も忘れてはならない魅力です。
さて、ここで昌文君の配下の一人が漏らした「反乱…、」という言葉に反応した成蟜。
ここで彼の個人的な事実曲解による「あるべき論」が語られてまいす。
五年前の嬴政との出会いと、自身の母によるネグレクト宣言の思い出をもとに。
・明日に掲げる人間橋
後に信や河了貂と対面したときに、高所から性悪説を爽快に語って聞かせてきたですが、難しい話抜きにただ単に母子揃って性格が悪かったってだけの話がよく分かります。
嬴政が王宮に現れるまで、太子として他の兄弟との競争も無かった為かやりたい放題でしたが、この点、深堀すると呂不韋が一世代前の父親である 王を前太子にて王にさせる政治工作が完了する前はどういったキャラだったのか考えてしまいます。
実は、他のいとこのような王族にイジメられていたのか?ある意味、成蟜も自分で父王の地位が低かった事実を受け入れているだけに、いままではそれほど王宮内の地位が低かっただけではないかと考えてみると、コイツも成り上がり感がにじみ出ているように感じます。
なんか自慢の仕方からして、他人をイジメることでしか自分の強みを確認できない小物感が半端ないです。
成蟜、そんなに他人が憎いのか?
この、23話で描かれているように、他人の背中を並べて橋にするにしても、普通の橋のほうが歩きやすいと思うぞ。
お庭の散歩のショートカットにしても、まったくもって時短になっていません。
さて、そんな成蟜の明日に架けられた人間橋ですが、結果的に嫌な未来が待ち受けていました。
生存を果たしていた嬴政が、王宮内に長兄として帰還してきます。
・政に見下され
後々に語られる紫夏の死闘にとって、過酷な生い立ちから心身ともに王として生きることに目覚めた政。
いままで王宮でヌクヌクしてきた連中など、それこそ桓騎の言葉で語られるる通りの「温室育ちの木偶人形」そのものに見えたのは確かでしょう。
しかし、本当にこの成蟜の回想の中の嬴政はそれだけの意味で彼を見下したのか?と言えばそうとも言い切れない事実も存在します。
おそらく政としても、成蟜のことが全く眼中に無かったと言えば、そうではないと考えられます。
この時点では父である 王も存命で、かつ、呂不韋の庇護があっとはいえ、この嬴政が当初から警戒心無く、すんなり秦国の王宮内で太子として受け入れられると考えていたとも思えないからです。
実際に、 話で自身が語っているように、謀反を警戒していながら防ぐ実力が無かったと言っているように、成蟜にとっては見下しやがったと、単純に取られる政の目線も、嬴政側にとってみれば成蟜が受けっとた態度以上に、複数の意味合いが伴った一瞥であったのではないかと考えることができます。
・ネグレクト公主様
もともと捻くれの極みにあった成キョウが、暴走するきっかけになったのが、王の寵愛を完全に失ってしまった公主が自信を無くして子である成蟜との面会すら拒絶してしまったことです。
今風にいうとネグレクト宣言なのですが、この時点で成蟜の教育をしていたであろう寿白さんや、許嫁であった瑠衣も、彼との付き合いは相当苦労されたことでしょう。
人知れず女官たちが悪口を言っているのを見て、彼女らを殺してしまった成蟜がますます歪んでいくのを母として何も聞かなったのかは、多少、気になるトコロです。
その後、成蟜の母ちゃんがどうなったのかは、キングダム作中では完全に謎。もしかしたら樊於期や琉期らが乱入してきたロウアイの反乱に巻き込まれ、他の王族や公家と一緒に死んでしまったのでしょうか?
女官を殺害し、嬴政を絶対に認めないと怒りに燃える成蟜ですが、彼自身がこの時持っている権力もまた、女官を殺害してもお咎めなしの身分だけってだけの話で、この後、竭氏に近づくでもしなければ何にも出来ないヒネたガキであったのは事実。
そして、こんなガキと組んだばかりに、あの呂不韋と出世競争していたケツ氏が一気に死亡するとか、結果的にあのデブ丞相にとって疫病神もいいトコロだったことでしょう。
― キングダム第23話 太子の座 考察 以上 ―
次回の考察⇒【キングダム第24話 騎兵の夢 考察】
次回もキングダム王都奪還編の考察をすすめていきたいと思います。
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