( 桓騎 :作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第748話 )
昔…、
情熱大陸のインタビューで、原先生ご自身が言っていたこと。
『ネタバレして読者に顛末がバレても、面白い漫画描く自信があるんで。』
まァ、ストーリー上の話だけでなく、ネタバレも何も歴史漫画なのですから、やっぱり、キングダムには、原先生がおっしゃる通りに、先が分かってても大きな感動を得るのを期待して呼んでいる読者さんが大部分なのですよ。
振り返ると、王騎将軍はあまり史記に記述が少なく、原先生が歴史の余白を活かして描いた部分が大きいキャラクターでしたので、突然の死に大きなショックを受けた読者さんも多いハズ。
完全にオリジナルキャラの松左や尾到もそうでしょう。
じゃあ、その反面で論ずると桓騎の最後はどうでしょう??
紀元前233年に桓騎が李牧に敗北して、死ぬであろう事は、多くの読者にも分かっていたことで、彼の敗北を受け入れる心の準備を前々からしていた読者も多いハズです。
しかし―、
ココから読者が目の当たりするのが、原先生のインタビューで応えた内容な訳です。
桓騎が負けるのは分かってて、覚悟はしていたけど、実際に原先生の絵とストーリーを目の当たりにすると、かなり胸に堪えるものがあると云うのが、多くの読者さんにとっての実情なのではないでしょうか?
なんと言いましょうか?
一緒に暮らしている爺ちゃんが居たとして、年齢的にいつ亡くなってもおかしくないのは最初から分かっているのに、いざ、臨終を迎えると、覚悟していたこととは言え、本当にどうしても感じてしまう悲しみに似ています。
そんな気分です。
いつか終わりを告げることが分かっている、出会いと別れ、人間の人生の縮図がここにあります。
いや、マジで今回は考察やら感想やらを書くのがツライ…。
今週もキングダム本編を振り返って参ります。
キングダムネタバレ-黒桜さん、ゼノウさん、リン玉さん…。
李牧軍援軍が到着して、早々と打倒されていく桓騎兵。
カイネが感動に浸っています…。
カイネ『ああ…、間に合った。みんな、よく…、よく李牧様を守り抜いたッ…。』
其処には、満身創痍ながら、バフージと、ごく少数の兵が辛うじて立ち…。
死屍累々と横たわる、雁門兵の姿が。
あの??
カイネ???
そんなん言うなら、もういっそ、今後も李牧がピンチになる度に、毎回毎回、秦軍の前にしゃしゃり出てくるようにしてくれ。
それなら毎回、李牧もボディーガードのキミを守るために、本末転倒の謎の艇身バトルを繰り返して、何度も死にかけになってくれるだろうから。
クッソ…。
出だしから…、
『桓騎兵の誰か、今こそ作戦変更だ! 早くカイネを人質に取るんだ! 再び総司令の立場を忘れた李牧がアホに戻り、カイネ一人の為に、全軍降伏の命令を出すかもしんねーぞ!!』と、いう…、
最早、李牧軍とカイネに対して、嫌味全開の自分でも意味不明なドス黒い感情で、読み込みが始まる、今週のキングダムです。
そして―、
趙軍で、一番最初に強襲に出たのは、虎白公です。
虎白公『殺せェ!!』
虎白公隊…、桓騎兵の掃討を進めるだけでなく、早々と桓騎本人を発見します。
苦しいながら、前日までの予想では、これまでの虎白公も上和龍は、ベストポジションの包囲を完成させながら、李信や桓騎を自ら取り逃がしてきた、大ポカをやらかしているキャラだと論じていましたが…、
残念ながら、キメ時とばかりに迅速に奮戦する虎白公。
防戦に戦っている黒桜さんが持て余す程に、趙軍の攻囲圧迫が迫っている様子が伺えます。
黒桜さん…、
奮戦するも、絶望的状況で、泣き崩れるのを堪えながら、戦っている様を見るのが痛々しいです。
崩れる気持ちを辛うじて保っている状態かもしれません。
黒桜さん『とにかくお頭の…、側に…、』
ドッ!!
不意に背を向けた先に、構えていた趙騎馬兵の槍が…、黒桜さんの背中を貫通。
腹部から突き出た穂先が…、
ほぼ確実に致命傷に至っていることを、否応なしに読者に突き示します。
黒桜さん『お頭の側に…、』
最早、戦意どころではない、黒桜さん。
奮戦を続けるリン玉さんも、その光景を目の当たりしています。
その瞬間、再度、騎馬ごと趙軍を吹きとばすゼノウの一撃が!
まだ、この男は健在ッ…!?
そう思わせたのも束の間…。
前回から、援軍に迫っていた、上和龍が、ゼノウの前に立ちはだかります。
上和龍『貴様が報告にあったゼノウか…。』
なんでしょう…。
コマを進めたら、上和龍との対比のせいか? 何故か、今までよりも二回りほど小さく描かれるゼノウさん…。
マジかよ…。
上和龍『想像していた以上の化物のようだな。儂やジ・アガに並ぶ男か興味…、』
はい、上和龍さんウルセー…。
いやさ?
何勘違いしてんの??
並ぶどころか、完全にアンタらよりも、ゼノウさんの方が上だろ!!! とか、セリフを遮りたくなるよ。(泣)
上和龍『興味あったが、今の貴様では、それも分からぬわ…。』
奮戦虚しく、ようやく、ここに来て消耗を色を見せたゼノウさん。
上和龍『いや、よくここまで生き残ったと褒めるべきか。』
なんでしょう…。
上和龍さんが、ゼノウさんに敬意を示しているだけ、心なしか上和龍に救われた気持ちにさせられる、自分が、なんとも情けない思いです。
上和龍『せめて、同じ剛の者の手によって逝くがいい、ゼノウ。』
ゼノウ『ヴオオオオオオオオ!!』
上和龍の矛に、ゼノウの金棒。
打ち合わせられる、双方の獲物。
ゼノウさんを見据える上和龍の目…。
ああああ、、、、、。
ここから次のページ…、捲りたくない…、、、、。
上段から…、
真っ向、ゼノウさんを切り伏せる、上和龍…。
この瞬間から…、
今まで、急造感の抜けなかった、ヌボ~っとしただけの大男であった、上和龍が、何か生きたキャラクターに化けた気がします。
リン玉さん『ゼノウ!!』
桓騎『…。』
黒桜さんとゼノウさんの二人をロストした桓騎軍は、いよいよ桓騎個人の包囲を狭めていきます。
趙兵『桓騎はまだ殺すなよ!周りは皆殺しで構わんぞ!!』
そして―、
ここで再び出てきたのは虎白公。
虎白公『李牧様、私に桓騎の首を刎ねる赦しを!!』
はい、この美形キャラ…、ま~だ扈輒さんの無念とか言っています。
まぁ、最低限、李牧にそれを聞きに来ただけ、はいはいキミは偉いよ~、虎白公。
桓騎の首?
そんなモン、ダメに決まってんじゃん。
李牧の側近A『待て、桓騎の首は李牧様の手で落とすべきだ!』
李牧の側近B『その通りだ、それが趙にとって最大の吉報であり、秦にとっては凶報だ!!』
この脇役、まぁ、確かによく言ってくれたよ。
読者的には、今更コチョさんの名前なんてどーでもイイんですわ。
虎白公の事、別に嫌いじゃないけど、別に、彼が桓騎の首に釣り合うとは誰も思っていないわけで、まあ、今回はこの李牧の脇役が正論。
はい、脇役が正論。
キミが桓騎を勝手に攻撃して、仕留めるとかにならずに済んで良かったよ。
いや、だからそれまで…、李牧が桓騎に直接手をかけるまで、桓騎を姿を焼き付けなきゃいけないわ、読者的に。
そうだ??
李牧さんも、今は相当お疲れでしょうし、半年くらい休暇とっていただいてから、桓騎さんの処分を考えてみてはいかがでしょう?
その間に、李牧さんも桓騎さんへの見方が変わりますよ、きっと。
仲良くなって、桓騎さんを処刑するの、止めませんか??
寧ろ、カクカイとかいう、もっと嫌な奴が居たのを、思い出してください。
李牧さん?桓騎を味方につけたら、カクカイに勝てますよ、多分。
うん、そうしよ?
そうして李牧。
ほら?
いつもの判断や指示を先送りする李牧さんに…、
大事なことを見落とす、いつものウッカリ李牧師匠に戻るのは今ですよ??
ほら、李牧さん?
こんなに俯いて、やけに元気ないじゃないですか?
( 李牧さん:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第748話 )
そんなに体調悪いなら、早く家に帰って休んだほうがよろしいのではないでしょうか?
桓騎を処刑するより、輸血するのが先でしょ、輸血。
輸血、どうするの?
A型?
B型??
それともO型??
そ、そうだ!
李牧さんにC型の血液を輸血しましょう。
C型、C型!!
絶対に李牧さんにはC型の血液がイイって!!
誰か趙兵の皆さん??
李牧さんに輸血するための、C型の血液の方いらっしゃいませんか??
あー…、ダメだ。
分かっているけど、ヤハリ、桓騎が負けるところを見るのがツライ。
途切れ途切れに、思考が乖離して、現実逃避したくなります。
今週は、マジでページ捲るのめっちゃ遅いですもん。
フテイと激闘を繰り広げていたリン玉さん。
黒桜さんとゼノウさんの離脱を見て…、
リン玉さん『お頭…、』と、その安否を吐露します。
その時…、
フテイ『おい? お前らはもうたすからねェし、幹部のお前は投降しても目一杯酷い目に遭わされて殺される。だから手合わせした誼で…、今ならひと突きで楽に死なせてやれるがどうだ?』
リン玉さん『…、気持ちだけありがたくもらっておく、フテイ。だけど、最後はやっぱお頭の横がいい。』
フテイ『…あっそ。…じゃーな、リン玉。』
何か分かりあって、打ち合いを辞めた二人。
リン玉さんの背中を追わず、見送るフテイ。
なんでフテイのクセに、こんなカッコいい贈る言葉を、リン玉さんに言えるんだよ??
今までの軽口ばかりを叩いていた、軽量で小物感満載であったフテイとは明らかに違います。
落ち着きぶりが、全然違います。
今まで我々が見てきた、アホのフテイは、一体どこに行ったのでしょう??
上記に確認した上和龍さんでも感じたような、キャラクターが地に足をつけ始めたような感覚が、フテイにも感じられてきました。
間違いありません。
リン玉さんとゼノウさんが戦ってくれたおかげで…、
急造キャラに過ぎない上和龍と、軽量過ぎてキャラ設計をしくじったフテイに、相応の実績が伴うことで…、
“キャラクターの格上がり現象”が発生しています。
フテイに至っては、自信まで与えてもらったようなものです。
神(作者)様ご自身が意図された現象かどうかは分かりませんが…、
リン玉さんとゼノウは、この一点だけでも、キングダムという作品に、凄まじい遺産を残していきましたよ。
マジで上和龍とフテイは、リン玉さんとゼノウさんに育ててもらった恩を忘れるなよ。
マジで、リン玉さん…、
これからどうなるのかな…。(泣)
キングダムネタバレ-李信に託される桓騎の言葉
飛信隊の戦場。
そこに中央の桓騎軍本体の戦況がもたらされます。
曰く―、
伝令『桓騎将軍は完全に趙軍の海に飲み込まれた!アレは無理だ…、桓騎将軍の奇襲は失敗したッ、もう脱出は出来ないッ!』
李信『なッ!?』
あの桓騎が失敗した??
あの桓騎が敗れて討たれる??
羌瘣『河了貂…。』
河了貂『うん…、信!! 今すぐ脱出しよう!』
河了貂は、桓騎軍奇襲の失敗の報を知ると、李信に対して、直ちに脱出に向かい、全滅だけは避けるべきとの判断を迫ります。
桓騎を助けようにも助けられない。
桓騎を標的にした次は、確実に趙軍は飛信隊を狙ってくる。
楽華軍とて、間違いなく脱出に動いている事を李信に説明します。
しかし―、
李信『見捨てて逃げろってのか…!?』
李信は逡巡を示すのみです。
その時―、
摩論『河了貂の云う通りです!今すぐ脱出を飛信隊 信!!』
オギコ『信!!』
摩論とオギコが到着しました。
オギコを中心に、桓騎から李信への伝言を伝える為に。
摩論『時間がありません、オギコさん早く…!』
オギコ『うん!!』
オギコ(桓騎)『(このクソヤロウ)以上。』
李信『!?』
河了貂・摩論『!!??』
今のは冗談だろう??と、それだけではないハズと、オギコを問い詰める摩論。
オギコ『ん?うん、まだあるよ、まずここから始めろって。』
摩論『ですよね!では早く!!(汗)』
いままでの圧迫感と緊張感を…、その御姿で、洗い流してくれる癒しの化身、オギコ…。
オギコのお陰で、桓騎軍の戦場を見て渇きった心が、幾分か和らいだ思いがします。
しかし―、
事は窮迫を要します。
今は、頼むから、早く、ちゃんと、お頭の要件を伝えましょう、オギコ。
オギコ『えっと、長いけどちゃんと言えるかな? オギコ言えるかな??』
一同『早く言えよ!!』
そして―、
ここからはまるで、イタコに霊が憑依したように…、
オギコは桓騎が話した言葉や口調のまま、李信への伝言を伝え始めます。
オギコ(桓騎)『(下僕 信、オギコには俺が失敗すると感じたら伝言を伝えに行けといってある、オギコの勘はお前らバカより鋭い、つまりこれを聞いているってことは、失敗したってことだ。)』
まるで、桓騎本人が李信を前に話しているかのような、トレース感をオギコから感じます。
やっぱり、オギコは有能です。
オギコ(桓騎)『(今回の奇襲はさすがの俺もどっちに転ぶか分からなかった、だから乱戦の外に置くことにした、摩論やオギコ、砂鬼一家を。)』
オギコ(桓騎)『(召が下らねェこと話したみてェだが、それは全部ウソだ。)』
召『なッ!嘘じゃないよッ!!』
オギコ(桓騎)『(いいか飛信隊 信、そいつらを連れて脱出しろ。 楽華じゃなくお前らのほうにそいつらを置いたのは、バカな分、お前らの方が少しばかり信用できるからだ。)』
オギコ(桓騎)『(いいな、必ず脱出しろ。これは命令だ。)』
オギコ(桓騎)『(あとやっぱ、コレいらねーから…、お前の血の玉座の王様に返しとけ。)って。』
オギコが取り出したのは…、
秦王から託された、六大将軍の証である、首飾りです。
オギコから、全ての伝言を聞いた李信。
李信『クソッ!!クソッ!!何なんだあの野郎は!!最後に急に、余計見殺しにしにくくなったじゃねえか!!!』
ここで狼狽するのが、イカにも李信らしいというのは分かるのですが…、
合唱軍編でヒョウ公将軍を失った直後の、壁さんに殴られてた時代を思い出してしまいます。(参照:第326話)
で、ここで壁さんの代わりに、李信を諭すのが摩論の役目でした。
摩論『何を言っているのですか!まだ分からないのですか!?今のこの形は、中央の桓騎が囮になって敵の注意を一手に引き付けて、両翼の楽華軍と飛信隊が脱出できる形になっているのですよ!!』
『これは偶然ではない!失敗してもただでは終わらないように、桓騎が仕込んだものです!!』
ですです。
摩論の云う通りです。
ついでに言うと―、
桓騎がそのように仕向けたと云う事実と共に…、
相も変わらず、31万人もの李牧軍が…、
ただただ全員ボールに集まるだけの、幼稚園児のサッカーと同じ事しかできない、無能連中であることの証左を、秦軍に教えてくれているという事も意味します。
李牧先生『さあ、皆さん。肥下城に桓騎が居るので、全員で懲らしめに行きましょう♪』
全員で東に移動。
⇩
李牧先生『皆さんッ!? 今すぐ全員で先生を助けなさいッ!?』
やっぱり全員で李牧の元に移動。
普通に考えたら、何やってんだこの人たち?って話でしょう。
なので…、
マジに絶対に逃げろよ李信。
いや、頼むから、マジに逃げてください!!
そして、オギコと摩論を、マジに飛信隊内に合流させて下さい!!
マジにお願い、李信。
楽彰軍が動きを変えてきたことを羌瘣が告げます。
摩論『ここで生き残ったあなたが、いつか李牧を討てば、“お相子”じゃないですか!!』
『お頭を“完敗”で終わらせないで下さいッ! 信!!』
李信『…ッ!乱戦を解け飛信隊!左に向けて脱出する!!』
はい…、飛信隊の脱出も気になるけど…、マジで、お頭の身を案じたら、来週のキングダム本編を読むのが、怖くなってきた。
心臓がもたねェっスわ。
― キングダムネタバレそれ最新748話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。