( 遷 作画引用:原泰久先生 作 キングダム第645話 )
なかなか強烈でしたよね遷王子。
この李牧が発見した初顔見せではデブ(郭開)の陰に隠れていて、表情も楚々っとしていたのですが、悼襄王の遺言の内容が公開されるやいなや…、
これっすよ?
いや、もう目つき病気だし。
って、ゆーか座っているの人だよ人。
カナリ古いネタになりますが、蒼天航路の董卓が裸の女の人を椅子の形に組体操させて座っていましたが、なんだかそれのミニサイズ版って感じが伝わってきます。
まぁ、原先生も蒼天航路は読んでいたでしょうね。
この遷王子なる人物…、見ているとなんだか王都奪還編の頃の成蟜と戦わせてみたい気持ちになってきます。
中華統一バカ息子選手権大会とでも銘打って、同じ金網の囲いの中にブチ込んで裸で戦わせてやりたくなってきます。
お互いに二、三日ほど絶食状態にしてやった状態で、リングの中にバナナを一本放り込んで獲り合いをさせるのがいいでしょう。
なんでしょうかね?
靴の先が尖っているのはロックを意識しているのでしょうか?
ズボンの長さが7分なのも恐らく彼の拘りでしょう。
嘉太子が廃嫡になって幽繆王の時代が来ること自体は分かっていましたが、その趙幽繆を何処までのバカに設定するかは神(作者)次第。
ホントにいいの?李牧?
なんか、読者に背中をみせて黙っているけど、嘉太子ともども黙っている場合じゃありません。
まだ、遷王子は何もセリフを発していませんが、神(作者)が彼をハイレベルのバカ王として作品中で育てていくのは間違いなさそうです。
嘉太子がなれなかったなりに、次善策を講じていかんことには秦と戦ドコロではありません。
もしかした、李牧なりに内政面での戦いがここから始まるコトによって、秦軍との最前線がコチョウ将軍に委ねられることになるのか?
その間、李牧は国内政争に一定の自陣営を構築できるのか?
一旦は解放された李牧と優秀な文官・国士たち自身の進退が非常に気にかかります。
それはでは、今回も注目したい論点に分けてネタバレ予想を進めていきたいと思います。
キングダムネタバレ-趙国政争
冒頭で書いてみた通り、李牧は一旦、戦線そのものをコチョウ将軍に全て委ねて放棄してでも、嘉太子の王室地位保全と国内政治工作に注力すべき局面ではないかと考えます。
まぁ、そもそもから考えれば、史実的に今までの李牧は雁門で北方民族を相手に戦っていて、史記の表舞台にはまだ登場していないくらいの局面なので、
ここで改めてコチョウ将軍が桓騎にやられてしまうまでの、雌伏期間みたいなものがあってもおかしくないんじゃないかと考えた次第です。
前回のキングダム645話考察編では、悼襄王の遺言が公開されて別人が後継者に指名されたくらいで固まってちゃいかんよ李牧。
といった感じで、遺言の内容がどうであれ、それが発表されるまでの間にすでに嘉太子と一緒に王都軍を王翦軍の前にまで出撃させるまで指揮系統を掌握していて…、
さらに、今までその王都軍に阻まれて邯鄲に入ってこれなかった馬南慈軍と舜水樹軍を今なら呼び放題って状況になっているんだから王位なんかどうとでも出来るじゃねえか!?
などと李牧と嘉太子を応援していたのですが…、
まあ、もう普通に考えて李牧も嘉太子も思考停止ですよね、今は…。
もし、李牧がホントに嘉太子を王すべく尽力したいのなら、遺言内容が発表されただけで、正式が王位承認(秦でいう加冠の儀)あったワケでもない今の状況こそが臣下として奮戦する瞬間なのですが…、
実際のところ神(作者)としても、あくまでもメインキャラ止まりの李牧にそこまでの政治闘争を求めているワケとも思います。
以前から当ブログに書いている通り李牧もそうなんですが、誰よりも王になろうとする嘉太子ご本人が“いい人“であるとか”清廉”であるというコトだけが売りになっているフシが今の態度に表れています。
どう見ても李牧も嘉太子も、いい意味での権力に対する執着が感じられないんですよね。【※郭開のように権力そのモノに執着するのではなく、目的を達成するための手段としての権力という意味。】
前回の記事でも、嘉太子のコトをいかにも“徳治主義的”という風に書きましたが、この儒教的な発想って悪く表現すれば「私は心がキレイで良心的な君主なんだから自分は王になって当然。」といった感じに見えて、どうしても嘉太子は嬴政などに比べると“王”という地位に対して受動的に見えてきます、キャラ的に。
そして、この気になっていた点を読者様のコメントで明確にしていただいたのですが、
その方のご意見で非常に頭をスッキリ整理させて頂いたことが大きかったです。
頂いたご意見に従って、同じ王でも政と嘉太子の彼らの姿勢の違いを分析すると、究極的には、秦の法家思想の王の在り方に対する、儒家思想下の王の在り方という視点で捉えることが可能であるように見えてきます。
そう考えると嘉太子のキャラ設定がとても腑に落ちる形で収まってきます。
まさしく李斯が昌文君との会話で論じていた命題が、こんなトコロに伏在していたわけです。
結果的にネタバレ予想の方向性としても、儒家思想にすっかりハマっている李牧&嘉太子の本人たちだからこそ、儒家の“考”の概念の下に遺言を目の前にした以上は何の反論もせず、このまま遷王子の王位承認を黙認したまま連載が進んでいく様が非常に似合います。
本来的にキングダムの面白さとしても、政と呂不韋が権勢を争った政争局面などカナリ見ごたえがあったのですが…、
今の李牧達が政治工作でかなり頑張らなきゃいけない時期であると言うのはわかっていても…、
この様に趙の文化体系を考慮すると、どうしても彼らの政争は政VS呂不韋レベル【※王者の正統性を争うくらい】に発展する可能性は非常に少ないです。
なので、李牧は李牧で遺言の内容を一旦は完全に受け止めるトコロから趙の運命を再出発させるしかありません。
しかし、アレだけカイネと舜水樹が王都でテロ活動をしまっくていて、もう李牧は立場上も自分達一派が生き残る為には、嘉太子を王位に就ける以外に後戻りは出来ないハズなんですけれど…、
この点、舜水樹もカイネも李牧が誰にも接触出来ない地下牢に繋がっていたコトから、都合の悪いことは何にも報告していない可能性が非常に高いです。(笑)
これで、もし、せっかく事実上中止になっている李牧の死刑が、カイネたちのテロ活動が原因で再開されてしまったら目も当てられませんね。
ネタバレ予想-李牧派のこれから
ザックリ言うと、冒頭で書いたみたいに合従軍編みたいに雁門かどっかに地方に落ちのびるあたりなんじゃないんでしょうか?
まず、遷王子が王位についたとしても、嘉太子自身は王様になれなかっただけで、王族そのものから追い出されたワケでは無いと考えられます。
そういった意味では嘉太子は、秦軍が差し迫っている局面で王になってしまった幽繆王に、李牧やそのほかの賢人たちを、を生かしておくメリットがあっても殺してしまう意味は皆無である説得を進める余地が残っている様に思えてきます。
李牧達が、当面のあいだ遷王子一派につけ入る点があるとすれば、秦軍が迫って来ている状況です。
そして、郭開としても、李牧&嘉太子一派を朝廷内で無力化したことに成功したと確信を得たところで、既に李牧の将軍としての実績は、朝廷内での自分の脅威にはなりえないと判断するに違いありません。
そして、同時に折角手に入れた趙国内での絶対的なポジションを、秦軍の侵攻によって国ごと消失させるのは、猶更もったいないと考えるでしょう。
なので、郭開としては、遷が王位に就く以上、今後、李牧がどれだけに武功を積もうとも自分の立場には影響が無いと考えた結果、あとは李牧を最後まで防衛戦力として利用しきってしまおうと考えるかもしれません。
とは言え、李牧にスグに強力な王都軍を預けるのは郭開としては危険を感じさせると思われます。
【※もっとも郭開としては、心底本気で趙王に忠誠を誓っているワケではないハズです。自分が助かるなら最終的には趙が無くなっても、どうでもイイと高を括るコトになると思います。】
また、李牧の側としても、現実に王が暗殺されてしまった邯鄲に、嘉太子の身柄を置いておくのも非常に危険度が高いと判断するかもしれません。
なので趙国では、秦軍と違って、紀彗や司馬尚などのように、それぞれ各自軍の本拠地を非常に大切に保持している描写がおおいコトが分かるように、
李牧もまた、三大天の地位の剥奪によって、紀彗などのようなあくまでも一人の将軍という枠組みの中で活動するコトを受け入れ雁門方面に帰還するのではないでしょうか?
そして、この際には、邯鄲で舜水樹とカイネが働いていた邯鄲テロ多発事件については何も触れ慣れないでしょう。(笑)
総合して考えると、遷の王座即位による幽繆王即位で、趙としては朝廷内は政争にすらならないレベルで紛糾が収まった事と、
各当事者同士の事情と思惑、および利害が重なった形で李牧の雁門帰還といった辺りで話が落ち着くのではないでしょうか?
嘉太子も遷から「李牧と一緒にどっか行って。」とか言われたら、正直カナリむかつくでしょうが…。
キングダムネタバレ-秦国陣営の情報活動
最前線の王翦たちが邯鄲からに放った密偵たちからどのような情報を入手するかが、当面の間の最も重要な活動になります。
現状、王翦軍の一同が理解しているのは、李牧は死刑にされるハズだが、何故か悼襄王が先に死んでしまったという事実のみです。
目の当たりにした趙王軍の登場の後に、王翦軍としては一旦、軍の後退と作戦の練り直しが図られましたが…、
近いうちに王翦軍としても、死刑を免れた李牧が、三大天を更迭されたままであるという事実と趙国に幽繆王が即位したという更なる事実の二つを知ることになるハズです。
これらの情報収集は王翦軍の密偵の優秀さを考えれば、難なく情報を入手することでしょう。
結果的に、李牧が然るべき地位にいないので、一周回って当初の予定どおり邯鄲への侵攻を進めるべきという話になってしまうのですが、この点については王都軍が次回以降に王翦軍の目の前から王都邯鄲に撤収しはじめるのか?
さらに、降格にはなったものの、死ぬと思っていた李牧が結局は生きているという事実を王翦がどう受け止めるかで変わってきます。
王翦軍各軍が後退してから、どれくらいの期間で邯鄲の詳細な情報が入手されるかなど、幾つかの変数部分が神(作者)の手に握られているのですが…、
おそらく王翦軍だけなく、咸陽サイドでも情報収集活動を指揮している昌平君へも、現在の趙の情報が伝ってくるはずなので、総司令サイドからこの先の邯鄲攻略の為の方針変更が王翦軍に伝達されてくるかもしれません。
昌平君と王翦が考えすぎて、『李牧の失脚に見せかけた罠!? 廉頗が出てこないと思って仕掛けた山陽戦のように、攻め込んだ先に李牧のが待ち構えているかもしれない…。』などと言って、李牧の正確な居場所を把握するまで、こっちから仕掛けるべきではない!とか言いながら時間だけが過ぎていく…。とかだったら信達はもの凄く残念だったりするでしょう。
また、もう一つ考えられるのは、事実として王翦が一旦のところ、既に全軍を最前線から後退させて作戦の全体像を見直しているわのですが…。
神(作者)としては、悼襄王死亡と嘉太子廃嫡という現状での主要な歴史描写を終わらせる目的が達成できたので、
詳しい邯鄲周辺での状況を余白のまま残して、対趙戦線は一旦ここでストップさせて、改めて対魏戦戦や対韓戦線へに信を投入うする方向でストーリーの時間的跳躍などが加えられるではないでしょうか?
― キングダムネタバレ最新646話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
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Twitter:しんいち ダム垢(@takikomigohande)