(うっかり李牧兵衛:作画引用元 原泰久先生 作 キングダム第741話)
秦軍の大半が国内に撤収。
宜安戦で勝った、趙軍および李牧たちですが…、
趙国側からしてみれば、ようやく秦国の侵攻を、一時的に食い止めただけの状態でしかないので、宜安戦に勝ったところで、多少喜ぶのはいいにしても、浮かれていい状況など何一つありません。
内政でも外交でも手を尽くして、軍事上も敵を分断して追撃だの、次の手をどんどん打っていかないと、王翦と楊端和が正気に戻った瞬間、スグに詰みます。
今現在、単に王翦と楊端和が仕事をサボりつづけているから、趙は生きていられるダケの話だからです。
逆に、秦軍目線で言えば、、
カクカイ曰く、リーボックが寝たきり老人状態になっているのは、頭をカチ割ってくれた桓騎のお陰だと言えるでしょう。
趙軍としては、10万規模を超える大軍を指揮できる大将軍は、結局のところ李牧ぐらいしかいないので…、
結果的に、未だに閼与で単軍ポツーンとしている王翦が、王都軍と北部軍から挟撃を喰らわずにすんでいるのは、このためです。
なのでこの点、王翦も昌平君も、余りに雑な宜安作戦を発動して負けた割に、この程度の損失で済んでいるのは、まだ幸いの部類かと思われます。
ただ、恐らく秦軍からは李牧の重傷具合については把握できていないので、何も動いて来ない趙軍の姿が、多少、不可解に写るかもしれませんね。
昌平君や王翦としては、宜安戦の大勝を以って、李牧が国内政権の掌握を更に進め、反転攻勢に出てくることを警戒して然るべきなのですが、何処まで、趙国の事情を把握しているのか気になるトコロ。
合従軍編事後も、戦勝した秦国の方で、対呂不韋陣営に対して、大きく大王陣営が力を持って対抗するようになっていった、政局変化がありましたが…、
この点、自らこうした経験を持つ大王政や昌平君が、今、嘗ての自分達と同じような立場である李牧に対して、どれほどの注意を注いでいるかが大きなカギになるかと思われます。
まぁ、その秦国の心配の反面で…、
宜安戦が終了して、みんなが大好きな、いつもの呑気でウッカリの李牧さんに戻っている可能性が高いのです。
何故か退職せずに、ブラック企業内で働く続ける社員の如く、カクカイと遊牧王にイイように使われまくる、最強(笑)の趙国三大天 李牧さんであり続けるも、この際、いいかもしれません。
悲しいかな、勝てば官軍…、に、なかなか成れないのが李牧軍。
ではでは、来週のキングダム予想を進めて参りましょう。
キングダムネタバレ‐李信の気持ちの整理
摩論に気持ちを見透かされた李信。
確かに…、
黒羊戦で桓騎を超える将軍になるという目標を抱いた以上、先に桓騎に死なれてしまったら、そりゃ胸に穴も空くでしょう。
李信のいいトコロは、フテイや項翼と違って、『俺スゲ―ww』みたいなのが基本的に無くて、例え考えが違ったり嫌な奴が相手でも、実力として自分より勝っていたら、素直に相手を認める部分を持っていることだと思います。
まぁ…、
これ言っちゃったら、身も蓋もないですが、桓騎としては、肥下の決戦地で、あれほどドンピシャで李牧の通過ポイントを的中させるくらいだったら、飛信隊も楽華軍も早急に結集させて、余裕で李牧を打ち取っていたハズなのに…、
砂鬼一家の脱出を名目に、戦で勝利するよりも、仲間として認められて、桓騎に生かされる立場となった李信。
これじゃ桓騎を喪失して、胸に穴が開くどころか、普通だったら…、
『あそこで俺が楽彰なんかに構ってねーで、ソッコーで李牧を討ちに行ってたら勝てたじゃん??』とか、悶絶してもおかしくないくらいの状況ですよ。
まあ、そこには触れない神(作者)様と摩論。
しかも―、
李信が宜安戦で何をやらかしたか、絶対に忘れてはいけないのが、開戦とほぼ同時に、“火を起こす場所を見つけた。”とか妄言を吐き出して、その後、蒙恬に作戦を丸投げして、勝手に戦線離脱したことも忘れてはいけません。
例えば、あの局面で、趙軍全体における、力点が青歌軍にあるのを見抜いて、敵右翼を無力化させ、一点突破させるのが目的とかなら、まだ分かるんですよ。
それこそ、李牧軍が31万人だからといって、それこそ、その全員を相手にする必要なんて何処にも無いので。
しかも、あの時の李牧って、ただ時間をかけて、味方の主力を出し惜しみしつつ、全体でダラダラゆっくりと攻めるだけだったじゃないですか?
李信・蒙恬『敵は包囲を広げ過ぎている。逆に、俺たちが敵右翼を抜いたら、李牧の本陣まで一気に突ける。 そこから先は桓騎将軍、頼んだぞ!!』とか、じゃなくて、ただ自分が思い付いて逃げるだけ。
包囲の外に出たらそれで終わりで、その状況から、会戦に於いて、桓騎軍を優位展開に持っていくことも無しに終わりました。
その後、宜安城を陥落できたのは、ほぼご都合展開だったので、正直、今戦、主人公は武将として、何もいい仕事出来なったのは、大きく、李信自身にとっても堪えるトコロだと思うんですよ、
摩論、最後にめちゃクチャ李信に気を遣ってくれていますが…、
読者としては、今の李信に対しては、死ぬほど反省してもらわなくちゃいけない、局面だと思います。
桓騎に対しての気持ちの整理…、というか。
この点、もう李信も将軍になってしまい、自分の至らない部分や、足りない資質を指摘してくる人物が少ないというか、、誰も居なくなってしまったのは、問題かなと。
でなんで…、
僕は今の李信に対しては、“悔しくて当然だろう”、むしろ、今の時点で前向きになってたら、頭オカシイ主人公でしないので、もう一度、原点帰って、本気で戦とは? 将軍とは?? について、見つめ直すべきだと思います。
来週のキングダムの前半…、
神(作者)様としても、摩論からの問いかけに対して、李信にそれなりの総括をもたらすものと予想。
キングダムネタバレ-悼襄王と幽繆王の違い。
楚の禍燐でしたっけ?
『朝廷でブヒブヒやってる文官共』と、仰っていたのは。
趙のカクカイや王都奪還編で登場した、尻氏(竭氏) や、屯留編で登場した捕獲(蒲鶮)など、こんな連中を一堂に集めて…、
“第一回キングダムブヒブヒ選手権大会“を開催して欲しいと思います。
で、そんな、ブヒブヒ選手権大会の優勝候補のひとりである、カクカイさんなのですが、宜安戦以降で国内求心力を増す、政敵 李牧さんに、脅威を感じていらっしゃる、今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
次回のキングダムでは、恐らく後半、ボチボチ趙国内や、李牧軍サイドの様子が描かれるものと予想します。
さて、そんな趙国事情ですが…、
李牧も李牧で、内政面で仕事している側面がほぼ描かれていないので、キチンと仕事してるのか、していないのか? あんまりよく分からない人物なのです。
が…!
それに劣らないほど、カクカイも大概です。
・李牧が居ないと趙国が侵略される。
⇒その為には、李牧に戦争で勝ってもらう。
⇒李牧の国内での重要度が増す。
⇒李牧に国中からの信頼が寄せ集まっていく。
⇒李牧に実権が集まると、ブヒブヒ出来なくなる。
何を今更焦っているのか?
一般人レベルの知能があれば、こんなことになる事くらい、普通に予測できたであろうに。(笑)
史実では、李牧を対桓騎のために大将軍として中央に抜擢した趙王は幽繆王なので、この点、キングダムでも、李牧に対する態度としては、悼襄王と幽繆王、若干異なるように描かれています。
悼襄王は、自信が病弱で、邯鄲が落ちる前に、自分はどうせ死ぬ。『国がどうなろうが知った事か。』と、享楽に耽るだけでしたが…、
この点で、幽繆王はカナリ悼襄王と立場が異なります。
若年の幽繆王は、これからそれなりに生きて行かなきゃいけないので、李牧に国を守ってもらう必要があります。
で、この幽繆王。
こいつもこいつで、アホあるのは間違いないのですが…、
まだ、嘉太子と違って、自分がアホだと客観視して分かっている分だけ、実は秦国にとって手強い人物であったりします。(参照:第704話)
宜安戦の開戦前夜でもそうでしたが、カクカイを飛び越えて、自分から直接、李牧の下に行って、意見共有することも可能な人物なので(参照:第704話)、実はカクカイなどの佞臣やバカな母親さえいなければ、それなりに趙国にとっての人材になっていたかもしれません。
因みに嘉太子は、“やる気だけがある無能”ということで、一番質の悪いタイプのリーダーの典型だと思います。
なので、今後、遊牧王が『自分はバカでお飾りの大王に過ぎない。』ということが理解できてて、むしろ余計な事をせず、国の血統だけを守ることにさえ徹してくれたら、逆に李牧にとって見ても、非常に与しやすいリーダーになる筈です。
李牧も李牧で、実務は自分とその一派が請け負う事を明確にして、国政に実害の無い範囲で、幽繆王が好きホーダイ出来ることさえ保証してやればイイだけです。
国が長く続く上で、むしろ全ての代で“名君”が、誕生してくることを期待する方が現実的では無いので、李牧とて、王に過度な期待を抱かずに、国の存続に集中して仕事出来れば問題は全て解決します。
この点で、李牧の目的と幽繆王利害が一致して、当面の間、政治的な協力体制が構築されるでしょう。
史実どおり、李牧が“武安君”に封ぜられる局面が描かれると予想します。
ただし―、
そこから先、李牧がこの政治的躍進をキチンと利用できるかは、かなり微妙なんですよね。
この点…、
キングダム李牧は史実李牧と違って、嘉太子に下手に肩入れし過ぎているのが大きな問題なんです。
今までの李牧の内心には、“王は人徳がある人がならなきゃダメ”みたいなのが在るハズなので。
上記に書いたような、実は幽繆王が悼襄王よりも李牧の立場に親和性のある点や、人物として、まだ自分を客観視してて、カクカイを信用しきっていない点を、李牧が見抜けているかどうか??
たぶん…。
また恐らく、気が付いていない…。
李牧が自身が、嘉太子の後見になるのはイイとしても、それと同時に、今現在の王は幽繆王として割り切って、この人物を見極めて、コントロール可能な領域を広げる努力をする必要がある事に、李牧が気づけるかどうかが、今後の展開に大きく影響が出てくると予想します。
そして―、
この点でですよ?
良い方向で予想を進めるとしたら、今回の戦で、李牧が桓騎と直接対峙した影響が、何かしら出てくると考えられないでしょうか??
“清濁く併せ呑む”じゃないですが…、
戦場の窮地の中の緊張感で、桓騎と対峙し、僅かな会話の中で、桓騎の本質を、白老とほぼ同じ内容で見て取った李牧のセンス。
一旦、戦が終わってもなお、平常時でも、そのセンスが国内人物の見極めに用いられれば、政治的にも李牧はひと皮剥けた人物に進化するでしょう。
まあ、もちろん。
緊張感が抜けて、以前の真面目なだけの、ウッカリ李牧さんに戻っている可能性の方が高いでしょうけど。(笑)
こうなると…、
李牧『王ならばしっかりと国の事を考えてもらわねば…、』
(信頼関係が無いのに、相変わらずマジレスしかしない李牧。)
幽繆王『これ以上説教したら殺すぞ!』
(なかなか李牧との距離が埋まらない幽繆王。)
カクカイ『王と話したいなら儂を通すブヒッ!!』
(結局、李牧が実権を握っても、カクカイが介入する余地が大きく残る。)
多分、これが趙にとっての残念な結果。
― キングダムネタバレそれ最新756話 以上 ―
次回もこの先の展開について、キングダムネタバレ予想をすすめていきたいと思います。
皆さんの予想やコメントもいただけると嬉しいです。どうぞお気軽に。