前回のおさらい 第893話「最後の助け」
① カイネが河了貂に差し出した最後の救い
さて、いよいよ次回のキングダム第894話ですが、まずは前回の第893話「最後の助け」を振り返っておきましょう。
前回は、捕虜となった河了貂の処遇を巡って、カイネが非常に苦しい決断を迫られるところから始まりました。
夜明けが近づき、カイネも自軍の持ち場へ戻らなければならなくなります。
しかし、カイネがいなくなれば、河了貂を守る者は誰もいません。
しかも、朝になって趙忽将軍が戻ってくれば、河了貂は大勢の趙軍兵士の前で、凄惨な拷問を受けた末に処刑されることになります。
そこでカイネが考えたのは、なんと、自らの手で河了貂を殺してしまうという選択でした。
いや、これはまた、なんとも凄まじい展開です。
カイネとしては、河了貂を敵軍の軍師として処刑したいわけではありません。
むしろ、これから待ち受ける地獄のような苦痛を回避させるために、自分の手で一瞬のうちに命を絶ってやろうというのです。
そして、燕隼から短刀を借り受け、河了貂に最後の提案を持ちかけました。
当初は戸惑っていた河了貂も、先ほど自分を拷問しようとしていた趙軍兵士たちの姿を思い出し、ついにカイネの申し出を受け入れます。
こうして、河了貂はカイネに抱きつくような姿勢を取り、心臓を一刺しにされる覚悟を決めました。
カイネは三つ数えたところで短刀を突き立てると告げ、一つ、二つと数え始めます。
そして、河了貂の脳裏には、最後の瞬間に信の名前が浮かぶのでした。
② 河了貂、死を拒絶! 最後まで生き抜くことを決意!
ところが、ここで物語は一度、カイネが本軍へ帰還した場面へ移ります。
無事に戻ってきたカイネを、馬易たち配下の兵士が出迎えますが、当のカイネは真っ青な顔をしており、明らかに様子がおかしいのです。
そして、河了貂がどうなったのかと尋ねられたカイネは、牢の中で起きた最後の出来事を思い出します。
実は、カイネが三つ目の合図とともに短刀を突き立てようとした瞬間、河了貂が突然、制止したのでした。
「待って!」
そして、河了貂はカイネに謝りながら、自分はまだ死なない、死ねないのだと告げます。
なぜなら、飛信隊の仲間たちは、最後の最後まで諦めずに戦い続けていたからです。
しかも、軍師である河了貂自身が、彼らを最後まで戦わせてきました。
ならば、自分だけがここで生きることを諦めてしまうわけにはいきません。
たとえ、この先どれほど凄惨な拷問が待ち受けていたとしても、最後の瞬間まで戦い抜き、生き抜くことを選んだわけです。
いや、前回の河了貂は、なかなかの覚悟でした。
もちろん、カイネは必死に止めようとします。
そんなことをすれば、絶対に後悔することになると。
しかし、河了貂の意思は変わりません。
最後にカイネへ感謝の言葉を伝え、もう行ってくれと告げるのでした。
③ 燕隼さんがいい奴すぎる! そしてカイネの心に残るカイヤの死
そして、ここで意外な存在感を発揮したのが、カイネの部下である燕隼さんです。
河了貂を置いて立ち去ることができないカイネに対し、自分がここに残ると申し出ました。
趙忽将軍が戻ってくるまで、趙備明たちが河了貂に手を出さないよう、できる限り妨害するというのです。
いや、燕隼さん、滅茶苦茶いい奴じゃないですか。
相手は趙忽軍の兵士たちですから、燕隼さん一人でどこまで防げるのかは分かりません。
それでも、河了貂のために危険を引き受けようとする姿勢には、なかなか胸を打たれるものがあります。
もう、いっそのことカイネも燕隼さんも、河了貂と三人で脱獄してしまえばいいんじゃないですかね??(汗)
さて、こうして河了貂を牢に残したカイネですが、本軍への帰還途中も、その心は後悔でいっぱいでした。
河了貂を無理にでも殺しておくべきだった。
そう考えながらも、カイネは自分自身が最後の一刺しを実行できたのか、疑問を抱いていました。
というのも、あの瞬間、カイネの脳裏には、かつて腕の中で命を落としたカイヤの姿が浮かんでいたのです。
また、自分の腕の中で誰かを死なせるのか。
その思いによって、カイネ自身も手が動かなくなっていました。
河了貂が死を拒んだだけでなく、カイネもまた、河了貂を殺すことができなかったわけです。
④ ソルン隊が襲撃される! カイネが救援に向かった先には……
さて、ここから一気に戦況が動き始めます。
カイネが軍を率いて持ち場へ戻ろうとしていたところ、突然、ソルン隊が敵軍と交戦しているという急報が入りました。
ソルン隊は中間地点に配置されていましたが、敵の攻撃によって右前方の森へ追い込まれ、防戦一方になっているというのです。
しかも、敵軍の規模は不明。
このままでは、ソルン隊が全滅する危険性までありました。
カイネはソルンの安否を尋ねますが、伝令にも分かりません。
そこでカイネは、本軍への合流を後回しにして、ソルン隊の救援へ向かうことを決断します。
ところが、ここが今回の大きな転換点でした。
なぜなら、ソルン隊を攻撃していた秦軍の中には、とんでもない人物がいたからです。
そう、飛信隊の李信です。
いや、ちょっと待ってください。
つい先ほど邯鄲への攻撃に失敗し、撤退したはずの李信が、なんでもうこんなところまで攻め込んでいるんですか??(汗)
しかも、将軍である李信自身が前線で矛を振るっているということは、飛信隊の相応の戦力が近くに展開している可能性もあります。
どうやら秦軍は、一度の敗北で大人しく引き下がるつもりなど、最初からなかったようです。
⑤ 李牧さん、もう王翦との決戦に向かうつもりだった!?
一方その頃、李牧さんも軍を率いて北上していました。
邯鄲での事後処理に時間を取られたため、かなり行軍を急いでいる様子です。
配下の兵士が馬の疲労を心配し、休息を進言しますが、李牧さんはもう少し進むと告げます。
そして、北上の最後の大一番について口にしかけるのでした。
……いや、李牧さん??
もう王翦との決戦に向かうつもりなんですか??
李信も蒙恬も羌瘣も、まだ全員健在ですよ??
しかも、飛信隊や楽華軍、羌瘣軍には、まだ相当数の兵力が残っているはずです。
邯鄲に突撃してきた飛信隊だって、全軍六万のうち一万程度だったわけでしょう。
それなのに、もう残存秦軍の反撃はないものとして、次の作戦に移ってしまって大丈夫なのでしょうか。
もちろん、紀彗や傅抵たちに中央戦線の監視を任せているのであれば、話は別です。
しかし、前回の描写を見る限り、趙軍の各部隊はすでに次の持ち場へ移動し始めており、どうにも戦闘態勢が緩んでいるように見えます。
しかも、趙忽将軍に至っては、河了貂の拷問と処刑に意識を向けている状況です。
いやいや、飛信隊がまだ戦える以上、そんな悠長なことをしている場合じゃないでしょうに。(汗)
⑥ カイネの危機を知った李牧さん、三千騎を率いて全速力!
さて、そんな李牧さんのもとにも、秦軍との交戦を知らせる伝令が到着します。
最初、周囲の兵士たちは、どうせ敗残兵との小競り合いだろうと考えていました。
ところが、伝令から思いがけない名前が飛び出します。
なんと、秦軍と交戦している友軍の中に、カイネ将軍がいるというのです。
本来、カイネはもっと後方に配置されているはずです。
李牧さんも、何かの間違いではないかと確認します。
しかし、伝令によれば、カイネは小隊で前方に出ており、その帰路で敵軍と遭遇したとのことでした。
そして、現在は秦軍に包囲され、危険な状況に陥っているというのです。
これを聞いた李牧さんは、即座に行動を開始しました。
「案内しなさい」
喬武に対して、自分を三千騎で追わせるよう命令し、残りの軍勢には休息後の北上を指示します。
そして、李牧さん自身は全速力でカイネの救援へ向かいました。
その速さは、雁門騎馬隊最速を自負する兵士たちですら追いつけないほどです。
いや、李牧さん。
カイネが心配なのは分かりますけど、いくらなんでも急ぎすぎじゃないですかね??(汗)
しかも、敵の規模も分からないまま、わずか三千騎で救援に向かっているわけです。
もしそこに飛信隊の主力が展開していたら、逆に李牧さん自身が危険にさらされる可能性すらあります。
⑦ 李牧さんの目の前に李信が! これは偶然か、それとも秦軍の罠か!?
そして、ついに李牧さんは、戦場の喚声が聞こえる場所まで到達します。
前衛を任せてほしいという配下の進言にも構わず、自ら森を抜けて戦場へ飛び出しました。
そこで李牧さんが目にしたのは、趙軍と秦軍が入り乱れる激しい乱戦です。
カイネを守ろうとする趙軍兵士たちが必死に戦っていますが、周囲は秦軍に包囲されていました。
そして、その秦軍の中で大きな矛を振るっていたのが、飛信隊の李信だったのです。
まさかの李信登場に、李牧さんも驚愕。
こうして、北上するはずだった李牧さんと、再侵入してきた李信が、思いがけない形で遭遇することになりました。
しかし、ここで一つ気になることがあります。
李信がカイネを発見したのは、果たして単なる偶然なのでしょうか。
そして、李信が前線にいるということは、蒙恬や羌瘣もすでに動いているのでしょうか。
もし秦軍が趙軍の分散配置を狙い、各個撃破を仕掛けているのであれば、今回の攻撃は単なる河了貂の救出にとどまらない可能性があります。
しかも、結果として、カイネだけでなく李牧さん本人まで引き寄せてしまいました。
これ、もしかして李牧さんまで釣り出されてしまったんじゃないですか??(汗)
李牧さんとしてはカイネの救援が最優先なのでしょうが、秦軍から見れば、総大将がわずかな手勢で接近してきたという、とんでもない状況です。
いや、ここに弓矢兄弟や、例の昂クンでも随伴していたら、秦趙戦争が一気に終わってしまうかもしれませんよ。(笑)
というわけで、第893話は、河了貂の命を巡るカイネの苦悩から始まり、最後は李信と李牧さんが同じ戦場に姿を現すという、予想外の展開で幕を閉じました。
河了貂の救出は間に合うのか。
カイネは李信の攻撃から逃れられるのか。
そして、李牧さんの救援は、趙軍にとって吉と出るのか、それとも新たな危機を招くのか。
ここから第894話の展開が、非常に気になるところです。
キングダム第894話 ネタバレ予想・考察
予想ポイント① 李牧さん、ついに平常心を喪失!? カイネ救出で飛び出した結果、決死の夫婦漫才へ!
さて、今回まず注目したいのが、李牧さん自身の精神状態です。
というのも、現在の李牧さん、ちょっとばかり多くの問題を抱えすぎているように見えるんですよね。
まず、邯鄲付近において、飛信隊や蒙恬率いる楽華軍を撃退することには成功しました。
その後、撤退した秦軍の追撃や捜索のため、趙軍の各部隊を広範囲に展開させています。
ここまでは、まあ、よかったのでしょう。
問題は、その先です。
李牧さんには、まだまだやらなければならない仕事が山積みだったわけです。
まずは、秦軍の攻撃を受けた邯鄲での事後処理。
さらに、撤退した飛信隊や楽華軍、羌瘣軍に対する追撃・監視。
そして、何より北方に展開する王翦軍への対処です。
これらの作戦を、ほぼ並行して進めなければならない状況だったわけですね。
いや、李牧さん。
いくら何でも、仕事を抱えすぎじゃないですか??(汗)
しかも、趙軍内部の統制が完全に取れているかというと、どうも怪しいところがあります。
例えば趙忽将軍。
この人はこの人で、河了貂を捕虜にしたのはいいものの、拷問だの処刑だのと、李牧さんの指示とは別のところで好き放題やっているように見えます。
いやいや、そんなことやっている場合じゃないでしょうに。
李牧さんが北上するのであれば、残存秦軍の動きを監視し、再侵入を防ぐ体制を維持する必要があるはずです。
ところが、その趙軍はすでに広範囲に分散しており、各部隊が次の作戦行動へ移り始めています。
つまり、李牧さん自身は複数の戦線を同時に処理しなければならず、その一方で、配下の武将たちも必ずしも一枚岩ではない。
そんな状況だったわけです。
そこへ飛び込んできた、カイネ絶体絶命の報告
そして、そんな李牧さんのもとへ、突然飛び込んできたのがカイネの危機でした。
本来、ずっと後方にいるはずのカイネが、なぜか秦軍と交戦している。
しかも、敵に包囲されて危険な状態だというのです。
これを聞いた李牧さんは、即座に救援を決断しました。
喬武に三千騎を追従させるよう命じ、自らは先頭に立って全速力で駆け出します。
その速さは、雁門騎馬隊の精鋭ですら追いつけないほどでした。
……いや、李牧さん。
もう、この時点で平常心を失いかけていませんか??(汗)
もちろん、カイネは長年にわたって李牧さんを支えてきた重要な部下であり、個人的にも特別な存在です。
救援に向かうこと自体は理解できます。
しかし、現在の李牧さんは、趙軍全体の戦略を指揮する立場にあります。
しかも、敵軍の規模も分からないまま、三千騎だけを率いて先行しているわけです。
さらに、その救援先で李牧さんが目撃したのは……。
なんと、李信がカイネを襲撃している光景でした。
いや、これはまずいでしょう。
ただでさえ邯鄲の事後処理や北方戦線への移動で手一杯だったところに、今度はカイネが李信に襲われているという緊急事態です。
果たして李牧さん、この状況で、いつもの冷静な李牧さんでいられるのでしょうか。
李牧さん、カイネを助けるために自ら飛び出してしまう!?
ここで予想したいのが、李牧さん自身がカイネを助けるため、直接戦闘に飛び込んでしまう展開です。
いや、普通にあり得そうじゃないですか。
普段の李牧さんであれば、まず敵の規模を確認し、味方の配置を把握してから、適切な部隊を投入するのでしょう。
しかし今回は、目の前でカイネが李信に襲われています。
この状況で、冷静に軍全体を指揮できるかどうか。
かなり怪しいところです。
そして、李牧さん自身も、決して戦えない人物ではありません。
もともと武将としての経験があり、本人の武力も相当なものです。
実際、かつて合従軍編の前には、李信と直接剣を交え、その攻撃を弾き返したこともありました。
つまり李牧さんには、李信と直接戦って退けたという過去の経験があるわけです。
これが、今回ばかりは逆効果になる可能性もあります。
「以前も李信の攻撃を弾き返したのです。今回もカイネを救うくらいなら……」
なんて考えてしまったら、どうでしょう??
いや、李牧さん。
それ、相当危険ですよ。(汗)
あれから李信は、数々の戦場を経験し、今や秦軍を代表する将軍の一人に成長しています。
かつての李信と、現在の李信を同じように考えてしまえば、思わぬ反撃を受ける可能性があります。
そして、カイネを救おうと飛び出した李牧さんが、逆に李信の一撃で吹っ飛ばされてしまう。
……なんて展開になったら、いよいよ趙軍は大変なことになります。
李牧さんが吹っ飛ばされ、カイネが突然の関西弁で命乞い!?
さて、ここからが今回の本命予想です。
カイネを救おうとして飛び出した李牧さん。
しかし、成長した李信の武力を読み違え、逆に吹っ飛ばされてしまいます。
そして、李信が李牧さんにとどめを刺そうとした、その瞬間……。
カイネが慌てて割って入るのです。
カイネ「あー!! ちょっと待って!! 李信将軍!!」
李信「あん!? 何だよ!?」
カイネ「いや、ほんま、すんません! なんとか見逃してもらえませんかね!?」
李信「はあ!? 何言ってんだ、お前!?」
カイネ「あ、そうや!! カリョウテン!! カリョウテンが捕まってる場所、教えますわ!!」
李信「……貂だと!?」
カイネ「そうそう! あんた、助けたいでしょ!? いや、ウチもほんまは彼女のこと助けたかったんですわ!」
李信「……何?」
カイネ「でもな、ほら、ウチの立場やと、いろいろありますやん? 腐ってもウチ、趙の将軍ですさかいに!」
李信「……??」
カイネ「そら、敵国の軍師を勝手に逃がすわけにもいきませんやろ? 賢い李信将軍やったら、分かってくれますよね??」
李信「お、おう……?」
カイネ「せやから、ここは一つ、お互い見逃すいうことで、手ぇ打ちませんか!?」
李信「いや、でも、そいつ李牧だぞ!?」
カイネ「まあまあまあ!! そこを何とか!!」
そして始まる、李牧さんとカイネの夫婦漫才
そして、カイネは李牧さんに目配せします。
(李牧様!! ここは話を合わせてください!!)
すると、普段は冷静沈着な李牧さんまでもが、なぜか突然、物凄く卑屈で卑しいオッサンの顔になり、大阪弁で話し始めるのです。
李牧さん「いやー、ほんま、李信将軍にはかないませんわ!!」
李信「……あ?」
李牧さん「いや、もうね、今回の一件でよう分かりました。私なんぞ、李信将軍の足元にも及びませんわ!!」
李信「……お、おう?」
李牧さん「ただいま李信将軍が……いや、李信将軍が、矛の力で私なんかを圧倒するだけやのうて!!」
李信「ん?」
李牧さん「カイネと私がここに現れる場所まで、こうして事前に予測してはる!!」
李信「えっ?」
李牧さん「武力だけやない!! 戦術も作戦も、知識も知恵も、何もかもが私を上回ってはりますやん!!」
李信「いや、ちょっと待て、俺は別に……」
李牧さん「いやいや!! 謙遜せんといてください!! もうこんなん、私らが勝てる要素、一つもありませんわ!!」
カイネ「ほんま、その通りですわ!!」
李信「…………。」
カイネ「いやー、私らもどうかしてたんです!! まさか李信将軍に勝てる思うて、戦争なんか始めてしもうて!!」
李牧さん「いや、ほんま、お恥ずかしい限りですわ!!」
カイネ「これも全部、ウチのアホな王様のせいなんです!!」
李牧さん「ちょ、カイネ!? さすがにそれは……」
カイネ「何言うてはるんですか!! 今さら王様に遠慮してる場合ちゃいますやろ!!」
李牧さん「い、いや、まあ……それもそうですな!!」
李信「お、お前ら……何の話してんだ??」
カイネ「あっ、せや!! 李牧様!!」
李牧さん「はい!?」
カイネ「もう早いとこ邯鄲戻って、これから先は秦国に降伏するよう、王様説得しましょう!!」
李牧さん「ええっ!? こ、降伏ですか!?」
カイネ「当たり前ですやん!! こんな偉大な李信将軍相手に、これ以上戦争続けてどうするんですか!!」
李牧さん「いや、しかし、私にも趙国の宰相としての立場が……」
カイネ「何が宰相やねん!! あんた、今ここで殺されかけとるんやで!?」
李牧さん「……た、確かに!!」
カイネ「それに、ウチらかって、ほんまはこんな戦いやりとうてやってたわけちゃいますねん!!」
李牧さん「そ、そうです!! 私もね、昔から戦争なんて大嫌いなんですわ!!」
カイネ「せやろ!? ほなもう、降伏したらええんです!!」
李牧さん「いやー、さすがカイネ!! まったくその通りですな!!」
李信「…………??」
カイネ「あ、そうや!! 李信将軍!!」
李信「……な、何だよ?」
カイネ「李信将軍も、早いとこ秦国に帰って、嬴政大王様に伝えてもらえませんかね!?」
李信「政に?」
カイネ「そうですそうです!! ウチと李牧様が、趙国の降伏を前向きに検討してる言うとったって!!」
李信「……はあ!?」
李牧さん「いやー、ほんま、そうしていただけると助かりますわ!!」
カイネ「李牧様、腐っても趙国の宰相ですさかいに!!」
李牧さん「……腐っても?」
カイネ「たぶん趙の王様くらい、説得できますわ!!」
李牧さん「……た、たぶん!?」
カイネ「何やったら、王様が嫌や言うても、李牧様が何とかしてくれます!!」
李牧さん「ちょ、カイネ!? 勝手に話を進めないでください!!」
カイネ「何言うてはるんですか!! 趙国の運命がかかっとるんですよ!!」
李牧さん「いや、私の命もかかってるんですけど!?」
カイネ「せやから、李信将軍!! これ、秦軍の皆さんにとって、メリットしかありませんやろ!?」
李信「……え、ええと……?」
カイネ「戦争せんでも趙国が降伏するんです!! 兵士も死なんで済む!! 河了貂も助かる!! 李牧様も死なんで済む!!」
李牧さん「いやー、まさに三方よしですな!!」
カイネ「せやせや!! 近江商人の精神ですわ!!」
李信「……オウミショウニン??」
李牧さん「しかも李信将軍は、戦わずして趙国を降伏させた、天下一の名将になるわけです!!」
カイネ「もう六大将軍どころの騒ぎちゃいますよ!?」
李牧さん「いやー、これはもう、李信将軍の銅像を邯鄲の正門に建てなあきませんな!!」
カイネ「せや!! もう王宮の真ん中に建てましょう!!」
李信「……う、う、うん??」
カイネ「ほな、そういうことで!! 李牧様、行きまっせ!!」
李牧さん「はい!! では李信将軍、私らの降伏の件、何卒よろしくお願いいたします!!」
李信「……あ、ああ……?」
こうして李牧さんとカイネは、深々と頭を下げながら、何事もなかったように戦場を後にするのでした。
……いやいや、李牧さん、ついに趙国そのものを売り始めましたよ。
しかも、本人は最後まで自分の命を助けてもらうために必死だったわけですが、いつの間にやら話が趙国の全面降伏にまで発展してしまいました。
そして、何が恐ろしいかというと……。
李信が、どうやら最後まで話についていけていないことです。(汗)
そして、後日……
蒙恬「……で? お前、それで李牧を逃がしたの?」
李信「おう!! なんか趙が降伏するって話になってよ!!」
蒙恬「…………。」
李信「いやー、俺も驚いたぜ!! 李牧の奴、結構話の分かる男だったんだな!!」
蒙恬「お、 お前…、それ本気で信じたの!?」
李信「ファッ!?」
蒙恬「趙王が降伏するって、誰が正式に決めたんだよ?」
李信「……り、李牧?」
蒙恬「李牧に趙王の降伏を勝手に決める権限なんてないだろ!!」
李信「えええッ!?あれ、嘘だったの!?」
羌瘣「駄目だこりゃ。」
蒙恬「しかも、目の前にいた李牧を逃がしたの!? 秦軍総出で討ち取ろうとしている、あの李牧を!?」
李信「……ほんっ?」
蒙恬「ほんっ、じゃないよ!!」
李信「……ファッ!?」
とはいえ、今回の最大の注目点は、やはり李牧さんがカイネの危機を前にして、どこまで冷静な判断を保てるかという部分でしょう。
総大将としての合理的な判断と、カイネを守りたいという個人的な感情。
この二つが真正面から衝突しているのが、現在の李牧さんなのです。
そして、もし李牧さんがここで判断を誤れば、単にカイネを救えないというだけでは済みません。
趙軍全体の作戦計画まで、大きく狂ってしまう可能性があります。
果たして李牧さんは、いつもの冷静な軍略家に戻れるのでしょうか。
それとも、カイネを助けるため、李信の前へ飛び出してしまうのでしょうか。
次回の展開に注目です。
予想ポイント② 蒙恬と羌瘣はどこへ!? 傅抵が愛閃に吹っ飛ばされ、旧韓軍が復活する展開も!?
さて、前回までの展開を考えると、どうやら河了貂の救出イベントと、今回の李信・カイネ・李牧さんの遭遇は、そのままつながっているように思えます。
李信がカイネを追い詰め、そこへ李牧さんが救援に現れる。
そして、二人が李信に足止めされている間に、河了貂を救出するための手掛かりが得られる。
そんな流れになるのではないでしょうか。
まあ、前述の通り、最後はなぜかカイネと李牧さんが関西弁の夫婦漫才を始める可能性もありますが。(笑)
しかし、それはそれとして、もう一つ重要な問題があります。
今回、まったく描かれていなかった蒙恬と羌瘣は、いったい何をしているのでしょうか??
李信が河了貂の救出イベントに投入され、カイネと李牧さんを一時的に無力化する役割を担うのであれば、趙軍全体に対する軍事的な打撃は、残る二軍が担当する可能性があります。
そもそも、今回の秦軍の再侵入が計画的な反撃作戦であるならば、李信だけが動いているとは考えにくいでしょう。
ここはやはり、蒙恬と羌瘣の出番ではないでしょうか。
蒙恬は実質的な三軍の総指揮官? やることが多すぎます!
まずは蒙恬から考えてみましょう。
今回、飛信隊・楽華軍・羌瘣軍の全体を動かすという意味では、やはり蒙恬が最も重要な役割を担っているように思えます。
何しろ、蒙恬には陸仙と愛閃という、優秀な両腕がいます。
特に愛閃の打撃力は強烈です。
それに加えて、蒙恬自身の戦況判断能力と部隊運用能力を考えれば、三軍の中でも、軍全体を動かしやすいのは楽華軍でしょう。
そして何より、李信と羌瘣の双方に対して、的確な作戦指示を出せそうなのが蒙恬です。
もう、実質的な大将軍は蒙恬なんじゃないですかね??(汗)
ただし、蒙恬の仕事は趙軍への攻撃だけではありません。
今回の反撃作戦が成功したとしても、秦軍は今後の進軍経路を確保しなければなりません。
邯鄲へ迫った進軍側の回廊を維持し、後方との連絡線を確保することも必要でしょう。
さらに、状況によっては楊端和軍や、隣接する録嗚未軍などとの連携も考えなければなりません。
補給路、撤退路、友軍との連絡。
こうした仕事は、李信が目の前の敵将を追いかけているだけでは、なかなか処理できませんからね。(笑)
となれば、蒙恬は前線で戦うだけでなく、秦軍全体の作戦を支える役割まで担わなければならないわけです。
いや、蒙恬。
君も君で、やることが滅茶苦茶多いですよ。(汗)
もっとも、陸仙と愛閃という優秀な部下がいるからこそ、こうした複数の任務を同時に進められるという面もあるでしょう。
そろそろ傅抵が愛閃に吹っ飛ばされる展開、ありませんか??
さて、蒙恬軍の具体的な対戦相手ですが、ここは傅抵あたりが出てくるのではないでしょうか。
というのも、紀彗や馬呈まで蒙恬が直接相手にするとなると、少々仕事が多すぎるように思えるのです。
それよりも、傅抵軍を楽華軍が担当し、紀彗・馬呈軍を羌瘣軍が抑えるという役割分担の方が、戦線全体としては動かしやすいのではないでしょうか。
そして、ここで期待したいのが愛閃です。
そろそろ傅抵が全裸にされて、愛閃に吹っ飛ばされて退場する展開、マジにありそうじゃないですか??
いや、傅抵も決して弱い武将ではないのでしょう。
得意の二刀流を駆使し、素早い動きと手数で相手を翻弄する戦闘スタイルです。
しかし、相手が愛閃となると、どうでしょうか。
愛閃といえば、楽華軍でも屈指の打撃力を誇る武将です。
一撃の重さという点では、傅抵とはかなり対照的なタイプですよね。
傅抵が二刀流でチョコチョコ攻撃を繰り出してくるところへ、愛閃が強烈な一撃を叩き込む。
……いや、これ、相性が悪すぎませんか??
何しろ、あの軽量級の傅抵。
そりゃもう、羽毛布団みたいにフワフワしている傅抵が、愛閃の一撃で、無理やりフルチンにさせられて、馬ごと吹っ飛ばされる未来しか見えないんですよね。
もちろん、傅抵には傅抵なりの強みがあります。
しかし、正面から愛閃の打撃を受け止められるのかといえば、かなり怪しいところでしょう。
ひょっとすると、ここで傅抵が大きな敗北を喫し、趙軍の一角が崩れる展開もあるかもしれません。
紀彗と馬呈を相手にするのは、やはり羌瘣軍か!?
一方、紀彗や馬呈への対応については、やはり羌瘣軍が担当するのではないでしょうか。
そもそも、羌瘣軍は今回の趙攻略戦が始まった当初から、紀彗軍と対峙していました。
そのため、両軍の戦いにはすでに相応の因縁があります。
そして、羌瘣には羌礼という強力な戦力も控えています。
羌瘣と羌礼。
この二人は、単なる軽量級の女性武将というわけではありません。
何しろ、ガチモンの蚩尤の一族ですからね。
同じように素早い戦闘を得意とする傅抵とは、根本的に違うわけです。
剣の技術、間合いの取り方、そして相手を仕留めるための戦闘能力。
もともと暗殺者として育てられた彼女たちには、正面からの軍団戦とは別の強みがあります。
しかも、羌瘣はこれまで紀彗軍と長く対峙してきました。
紀彗の堅実な用兵や、馬呈の攻撃的な戦闘スタイルについても、ある程度は把握しているはずです。
となれば、そろそろ相手の弱点を見つけ出していても、おかしくありません。
特に紀彗は、無謀な攻撃を仕掛けるタイプではありません。
守備を固め、相手の隙を見て戦う武将です。
こうした相手を正面から崩すのは容易ではありませんが、羌瘣と羌礼であれば、局地的な突破や敵将への接近によって戦況を変えることも考えられます。
もちろん、紀彗軍の兵力がまだ十分に残っているのであれば、簡単に決着がつくとは思えません。
しかし、趙軍全体が分散している今なら、羌瘣軍にも新たな攻撃の機会が生まれているのではないでしょうか。
そして気になる、ヨコヨコと洛亜章たち旧韓軍の行方
さて、羌瘣軍については、もう一つ重要な役割があります。
それが、旧韓軍の皆さんが、いったいどうなったのかという問題です。
今回の趙攻略戦では、韓の滅亡後に秦軍へ加わった旧韓軍が、大きな役割を果たしていました。
特にヨコヨコと洛亜章の存在は重要です。
そもそも羌瘣は、戦いが始まる前から旧韓軍の動向を気にかけていました。
そして、洛亜完の息子である洛亜章が登場し、父の遺志を受け継いで秦軍とともに戦うことになったわけです。
ところが、その後の戦況が大きく動く中で、彼らの現在の状況は十分に描かれていません。
ヨコヨコはどうなったのか。
洛亜章は無事なのか。
そして、旧韓軍の兵士たちは、今も羌瘣軍と連携できる位置にいるのでしょうか。
ここは、まだ回収されていない重要な伏線だと思うんですよね。
紀彗軍の背後からヨコヨコが復活する展開も!?
例えば、羌瘣軍が紀彗・馬呈軍と再び交戦する中で、趙軍の背後から思わぬ部隊が現れる。
紀彗軍の兵士たちが何事かと振り向くと……。
そこには、なんとヨコヨコ率いる旧韓軍の姿が!!
いやー、これは胸が熱くなる展開じゃないですか。(笑)
もちろん、これはかなり希望的観測が入っています。
現時点でヨコヨコたちがどこにいるのか、どの程度の戦力を残しているのかは、はっきりしていません。
しかし、だからこそ、ここで再登場する余地があるとも考えられるのです。
そして、もう一人。
やはり気になるのが、洛亜章です。
韓が滅亡した際、父である洛亜完は、最後まで韓の武将としての誇りを貫きました。
その一方で、息子の洛亜章には生き残る道を残しています。
そして洛亜章は、父の遺志を胸に、今度は秦軍の一員として趙軍と戦うことになったわけです。
ここまで描いておきながら、旧韓軍が何の見せ場もないまま退場してしまうというのは、さすがに悲しすぎるでしょう。
何しろ、韓の滅亡という大きな物語を経て、ようやく新しい戦場へ出てきた若い武将なのです。
しかも、洛亜完の息子ですよ?
ここは原先生も、彼らにもう一度活躍の場を用意しているのではないでしょうか。
洛亜章が父の遺志を受け継ぎ、ヨコヨコとともに旧韓軍を率いて再び戦場へ姿を現す。
そして、それを羌瘣たちが迎え入れる。
そんな展開になれば、韓攻略戦から続いてきた物語が、ここで一つにつながることになります。
蒙恬が戦線を支え、羌瘣が紀彗軍を崩す?
というわけで、次回以降の秦軍の反撃については、李信だけでなく、蒙恬と羌瘣の動きにも注目したいところです。
李信は、河了貂の救出と李牧さん・カイネへの対応。
蒙恬は、三軍全体の連携を維持しながら、傅抵軍などへの打撃と進軍経路の確保。
そして羌瘣は、紀彗・馬呈軍への対応と、ヨコヨコ・洛亜章たち旧韓軍の再合流。
こうした役割分担ができているのであれば、今回の秦軍の再侵入は、かなり組織的な反撃作戦だったことになります。
何しろ趙軍は、邯鄲の防衛に成功した後、部隊を広く分散させていました。
その隙を突いて秦軍が各個撃破を仕掛けているのであれば、李牧さんにとっても相当厄介な事態でしょう。
しかも李牧さん自身は、カイネの救援に向かった先で李信と遭遇してしまっています。
これ、李牧さんがカイネと夫婦漫才をやっている間に、蒙恬と羌瘣が趙軍の戦線をボコボコにしている、なんて展開もあり得るんじゃないですかね??(笑)
もちろん、現時点では蒙恬と羌瘣の具体的な動きは描かれていません。
しかし、二人が何もしていないとは考えにくいでしょう。
次回、あるいはその次あたりで、突然場面が切り替わり、蒙恬軍や羌瘣軍の反撃が描かれる可能性は十分にあると思います。
そして、個人的に一番見てみたいのは……。
やっぱり、愛閃に馬ごと、全裸で負ルチンにされて吹っ飛ばされる傅抵ですね。
いや、傅抵さん。
そろそろ、あの二刀流でチョコチョコ動く戦い方が、通用しない相手もいるということを知る時期なのかもしれませんよ。
キングダム第894話予想・前編まとめ
さて、今回の予想では、李牧さんのカイネ救援と、その裏側で進んでいるかもしれない秦軍の反撃作戦について考えてみました。
河了貂を救出するために動く李信。
カイネの危機を知り、思わず全速力で救援に向かった李牧さん。
そして、まだ姿を見せていない蒙恬と羌瘣。
もし、この三軍が連携して行動しているのであれば、今回の秦軍の再侵入は、趙軍にとってかなり厄介な事態となるでしょう。
特に、李牧さんがカイネの救援に意識を奪われている間に、蒙恬と羌瘣が分散した趙軍への攻撃を開始しているとすれば、趙軍の北上計画そのものに支障が出る可能性もあります。
そして、何より気になるのが、河了貂の救出です。
カイネは河了貂を救うことができませんでしたが、その居場所を知っています。
李信がカイネから情報を引き出すことができれば、河了貂の救出へ大きく近づくことになるでしょう。
ただし、そのために李牧さんを見逃してしまうとなれば……。
蒙恬から、ものすごい説教を食らう未来が待っていそうですが。
さて、次回のキングダム第894話。
李牧さんとカイネは、この危機を切り抜けられるのか。
そして、蒙恬と羌瘣の二軍は、どのような形で趙軍に反撃を仕掛けるのか。
さらに、ヨコヨコと洛亜章たち旧韓軍が再び戦場に姿を現すのか。
このあたりが、今後の大きな注目点になりそうです。
それでは、次回もお楽しみに!!