前回のキングダム第891話では、匈奴の襲撃から雁門の住民たちを守り続ける李牧さんの防衛戦略と、その裏に隠された悲劇的な過去が明らかになりました。
そして、ようやく李牧さんの考え方を理解し始めたカイネのもとへ、今度は李牧さん自身が趙王によって更迭されるという、衝撃的な知らせが届いたのです。
果たして、李牧さんの運命はどうなってしまうのでしょうか。
まずは、前回の内容から振り返ってみましょう。
カイネ投獄! 家族の仇を討てなかった悔しさ
中央から派遣されてきた将軍に斬りかかり、牢に入れられてしまったカイネ。
そんなカイネを訪ねてきた馬風慈は、父親から聞かされた話を伝えます。
普通であれば、中央から派遣された将軍に斬りかかった者が、投獄だけで済むはずがありません。
しかし、今回は斬首されることもなく、命は助かるようです。
それも、李牧さんが取り計らってくれたおかげでした。
馬風慈の父親も、李牧さんに感謝するようにと言っていたのです。
ところが、牢の中で項垂れるカイネは、そんな話を聞いても、素直に喜ぶことができません。
彼女の脳裏には、家族を侮辱して笑っていた匈奴たちの姿が焼き付いていました。
父と母、そしてカイヤを殺されたカイネは、家族の墓の前で、匈奴を一人残らず殺してやると誓っていたのです。
それなのに、実際に匈奴を目の前にしても、何もできませんでした。
家族を侮辱して笑っていた敵を、ただ見ていることしかできなかったのです。
その悔しさから涙を流すカイネに、馬風慈たちも、かける言葉が見つかりませんでした。
李牧さんの雁門防衛戦略! 匈奴と戦わずに住民を守る
それからも雁門は、幾度となく匈奴の襲撃を受けていました。
しかし、李牧さんが赴任して以来、その状況は大きく変化していました。
まるで匈奴の襲撃を事前に知っていたかのように、住民たちは敵が到着する前に砦へ避難していたのです。
その結果、匈奴は集落を襲撃しても、略奪することができません。
戦いらしい戦いも起きず、雁門の被害は抑えられていました。
しかし、復讐を誓っていたカイネにとっては、到底納得できるものではありません。
匈奴との戦闘そのものが起きなければ、家族の仇を討つ機会も訪れないからです。
そんなカイネの苦悩を、李牧さんは静かに見つめていました。
雁門に奇跡が訪れた! 羊も住民も失われない日々
そんなある日、雁門で宴会が開かれました。
そこで北守が発表したのは、驚くべき報告でした。
なんと、今年の羊の数が、この三十年間で圧倒的な最多記録を達成したというのです。
その理由は、今年、匈奴に羊を一匹も奪われなかったからでした。
さらに、それだけではありません。
李牧さんが雁門に赴任して以来、住民たちは誰一人として、家族や仲間を失っていなかったのです。
これまで、匈奴の襲撃によって多くの命が奪われてきた雁門。
そんな土地で、誰一人として犠牲者を出さずに生活できる日が訪れるなど、住民たちには想像もできないことでした。
北守は感極まって、奇跡だと叫びながら李牧さんに抱きつきます。
住民たちも、そんな北守の姿を見て大笑いしていました。
また、宴会場では、匈奴が何も奪えず、まるで戦争に負けたかのように、うなだれて帰っていく様子も話題になっていました。
住民たちにとっては、匈奴を討ち取らずとも、家族や財産を守り抜くことができれば、それは立派な勝利だったのです。
ところが、その言葉に激怒したのがカイネでした。
カイネは、敵に屈しているだけではないかと叫びます。
家族を殺された恨みを忘れ、匈奴と戦うことすらしない。
そんなものの、いったい何が勝利なのでしょうか。
カイネは涙ながらに訴え、宴会場を飛び出してしまいました。
李牧さんが語る、雁門には初めから勝利など存在しないという現実
宴会場を抜け出したカイネは、城壁の上で一人項垂れていました。
そこへ現れたのが、李牧さんでした。
李牧さんは、カイネに対して、そもそも雁門には初めから勝利など存在しないと語ります。
匈奴の勢力は、カイネたちが想像しているよりも、はるかに広大です。
もし、匈奴を討伐しようとするならば、少なくとも十万以上の大軍を集結させる必要があるのです。
しかし、そのような戦力を持たない雁門では、正面から戦っても勝ち目がありません。
だからこそ、守りに徹するしかないのです。
匈奴は馬上での戦闘には無類の強さを発揮しますが、攻城戦は苦手としています。
ならば、砦を利用して徹底的に守り抜く。
たとえ臆病者と罵られようとも、卑怯者と呼ばれようとも、味方には匈奴の指一本触れさせない。
それこそが、自分の役目なのだと李牧さんは語りました。
しかし、カイネは納得できません。
趙人としての誇り、雁門の民としての誇り、そして匈奴に殺された家族の無念は、どうすればよいのでしょうか。
敵に背を向けて生き延びても、自分たちの魂は死んでしまうのではないか。
そう涙ながらに訴えるカイネに対し、李牧さんは、自分の過去について語り始めました。
李牧さんの悲劇の過去! 行角の戦いで仲間を全員失っていた
かつて、カイネと同じように、家族を殺された怒りと復讐心に駆られた若者がいました。
その若者は、戦争によって両親を失い、さらに戦場では父や兄弟まで失っていたのです。
そして、その怒りは、同じように家族を失った仲間たちにも伝染していきました。
やがて彼らは命令を無視し、敵の大軍へ無謀な突撃を敢行してしまいます。
ところが、その若者たちは、見事に敵将を討ち取り、劣勢だった戦いを勝利へと導いたのです。
それが「行角の戦い」でした。
若者は、敵の矢を受け、槍で刺され、剣で斬られながらも、我を忘れて矛を振るい続けました。
そして、気がつけば、敵の総大将の首を吹き飛ばしていたのです。
勝利を確信した若者は、仲間たちに向かって声を上げました。
しかし、返事はありませんでした。
従兄弟の袁草も、幼馴染の龍兄弟も、入隊以来ずっと一緒だった仲間たちも、全員がその突撃で命を落としていたのです。
若者は、確かに敵将を討ち取り、戦いに勝利しました。
しかし、その胸に訪れたのは、復讐を果たした達成感などではありません。
耐え難いほどの失意でした。
その若者こそ、かつての李牧さんだったのです。
李牧さんは、自分の過去を通じて、カイネに命の重さを伝えようとしました。
家族の仇を討ちたいという気持ちは理解できる。
しかし、命とは、カイネが考えている以上に重く、尊く、何よりも守られるべきものなのです。
仲間たちの命も、カイネ自身の命も、決して軽々しく失ってよいものではありません。
そのことを忘れないでほしい。
李牧さんは、そうカイネに語ったのでした。
まさかの急展開! 李牧さんが趙王によって更迭される!?
それから幾日かが経過しました。
カイネが一人、丘の上で李牧さんから聞かされた言葉について考えていたところ、馬風慈が慌てた様子で駆けつけてきました。
匈奴の襲撃かと思ったカイネでしたが、そうではありません。
なんと、李牧さんが北部司令官を更迭され、邯鄲中央へ強制送還されることになったというのです。
理由は、匈奴を相手に戦っていなかったことでした。
その報告を受けた趙王が激怒し、李牧さんを捕らえさせたのです。
しかも、総司令官という立場にありながら、趙国の誇りを汚した罪により、邯鄲で斬首される可能性すらあるというのです。
雁門の住民たちを誰一人死なせず、匈奴の襲撃から守り続けてきた李牧さん。
その功績が、今度は趙王によって罪に問われることになってしまいました。
突然の知らせに、カイネは言葉を失います。
果たして、李牧さんは本当に処刑されてしまうのでしょうか!?
そして、ようやく李牧さんの考えを理解し始めたカイネは、この事態にどう動くのでしょうか。
ここからが、次回キングダム第892話の予想となります。
予想ポイント① 李牧さん更迭劇! 前趙王様は、なぜ雁門の英雄を処刑しようとしたのか!?
さて、次回のキングダム第892話では、いよいよ李牧さんの更迭劇が本格的に描かれることになるでしょう。
ここで気になるのは、李牧さんが雁門で行ってきた仕事が、いったいどのように趙王様へ伝わっていたのか? という点です。
おそらく、このあたりも、読み切り版の大筋から大きく外れることはないと思います。
つまり、匈奴に対して勇猛果敢に戦い、敵将の首を挙げるなどの戦果を誇示することがなかった。
そのため、李牧さんは敵を恐れて戦闘を避けている、臆病な将軍だと判断されてしまった。
まあ、そんな話になるのではないでしょうか。
しかし、ここで一つ疑問が生じます。
そもそも、趙王様は、匈奴がどれほど強大な勢力なのか、理解していたのでしょうか??
ひょっとすると、雁門一帯の軍事的な実情すら、まったく把握していなかったのかもしれません。
何しろ、李牧さんが前回カイネに説明した通り、匈奴を正面から討伐するためには、少なくとも十万以上の大軍が必要になるのです。
そんな相手に対して、雁門の限られた兵力で勇猛果敢に戦えと言われても、無理な話でしょう。
いっそのこと、一度雁門を突破されて、匈奴の大軍が邯鄲に迫ってくるくらいの荒療治でもしなければ、事態の深刻さを理解できないほどの馬鹿王だったのでしょうか??
このあたり、当時の趙王様がどのような人物として描かれるのか、少し興味があります。
ところが、読み切り版とキングダム本編では、趙王様の人物像が微妙に違う!?
しかし、ここで少し気になることがあります。
読み切り版の大筋に寄せて考えると、今回の趙王様の行動は、キングダム本編で描かれていた前趙王様の人物像と、微妙に食い違うようにも思えるのです。
というのも、キングダム本編の前趙王様といえば……。
前趙王様『国がどうなろうが、知ったこっちゃないww』
これが基本的なキャラクターでしたからね。(笑)
ところが、今回の李牧さん更迭劇では、どうでしょうか。
もしも更迭の理由が、読み切り版と同じように、
「匈奴に対して勇猛果敢に戦わず、目立った戦果を挙げていない」
というものであったならば、少なくとも趙王様は、北方の匈奴に対して、きちんと戦争をしようとしていることになります。
つまり、国防に関心があるわけです。
もちろん、戦況を正確に理解しているかどうかは別問題です。
しかし、戦果が上がっていないことを問題視して、現地の司令官を更迭するというのは、少なくとも政治や軍事に対して、ある程度のやる気があるということでしょう。
ところが、キングダム本編の前趙王様は、そもそも国家の行く末に関心がない人物として描かれていました。
国がどうなろうが知ったこっちゃない王様なら、李牧さんの戦い方が多少消極的であろうと、そんなことは「どーでもいい」はずなのです。
わざわざ雁門の軍事情勢に口を出して、司令官を更迭する理由すら、なさそうではありませんか。
うーん……。
前趙王様。
いったい、いつから完全に政治に関わる気持ちを失ってしまったのでしょうか??
もしや李牧さんと前趙王様の間には、知られざる因縁が存在していた!?
ここで、もう一つの可能性が浮かび上がってきます。
も、もしや……。
今回の李牧さん更迭劇こそが、前趙王様の人格を大きく変えてしまう、何らかの事件だったのではないでしょうか!?
もともと、前趙王様は、国防や政治に対して、それなりの意欲を持っていた。
ところが、雁門から召還した李牧さんと接触したことで、何かが起きてしまった。
そして、その出来事をきっかけに、後のキングダム本編で描かれる、あの政治に無関心な趙王様へと変貌してしまった……。
もちろん、現時点では、まだ予断が大きく残ります。
読み切り版と本編では、設定や人物描写が変更される可能性もありますし、今回の更迭理由が、単純に読み切り版と同じになるとも限りません。
しかし、だからこそ、この部分については、読み切り版とは少し違った展開が描かれる可能性もあるのではないでしょうか。
李牧さんと前趙王様の間に、これまで語られてこなかった、何らかの因縁が発生するのかもしれません。
……と、ここまでは、比較的まともな予想です。
問題は、ここからなんですよね。(笑)
もし李牧さんが本当に匈奴とクイズ大会をやっていたら、そりゃ更迭されますわ。(笑)
さて、前回の考察記事では、私は一つの仮説を提示しました。
李牧さんは、匈奴の侵攻を遅らせるために、雁門周辺に謎の工作施設を設置していました。
そして、その施設の正体とは……。
李牧さん主催・第32回雁門争奪戦ゲーム大会だったのではないか!?
というものです。
趙国の歴史クイズを出題したり、障害物競走を開催したり、辛子入りアンパンを食べさせたり。
さらには、羊一頭の引換券まで景品として用意して、匈奴の皆さんを楽しませていたのではないかと予想したわけです。
もちろん、これは私の完全な妄想です。
しかし、もしも本当に、李牧さんがそんなことをやっていたとしたら、どうなるでしょうか。
当然、趙王様の前で、その活動内容を説明しなければなりません。
例えば、こんな具合です。
趙王様『李牧よ。貴様は雁門で、匈奴と戦いもせず、いったい何をしておったのだ!?』
李牧さん『はい。匈奴の皆さんを招待して、毎月、クイズ大会と障害物競走を開催しておりました。』
趙王様『…………は??』
李牧さん『特に趙国歴史クイズは大好評でして、初代趙国王の問題では、匈奴の皆さんが大変盛り上がりました。』
趙王様『…………。』
李牧さん『さらに、羊一頭の引換券を景品として配布することで、匈奴の皆さんの侵攻を大幅に遅らせることに成功しました。』
趙王様『…………おい。』
李牧さん『おかげさまで、今年は雁門の羊を一匹も奪われず、住民にも一人の犠牲者も出しておりません。』
趙王様『お前……本当に遊んでいただけではないか!!』
李牧さん『いえ、ですから、これも立派な防衛戦略でして……。』
趙王様『もうよい!! こいつを牢に入れろ!!』
……。
いや、そりゃ更迭されても仕方ありませんわ。(笑)
何しろ、国家の北方防衛を任せていた将軍が、匈奴とクイズ大会を開催していたなどと白状したら、朝廷は1000%混乱するでしょう。
しかも、戦果を尋ねても、敵将の首どころか、羊の引換券を何枚配ったかという報告が返ってくるのです。
うーん。
これは予想が難しい。
いずれにしても、この時の朝廷の会議は、めちゃくちゃグダグダだったに違いありません。
重大仮説! 実は前趙王様を堕落させたのは、李牧さんだった!?
しかし、ここで、さらに重大な仮説が浮かび上がってきます。
もしも、私の予想が正しかったとしたら……。
実は、前趙王様が政治に無関心なバカ王になってしまった原因こそ、李牧さんだったのではないでしょうか!?
考えてもみてください。
当初の前趙王様は、国防に強い関心を持っていたのかもしれません。
匈奴に対して積極的に戦い、戦果を挙げるよう、現地の司令官に命令する。
少なくとも、政治に対して、それなりのやる気があったわけです。
ところが、そこへ李牧さんが現れます。
しかも、李牧さんは、匈奴とクイズ大会や障害物競走を開催して、雁門の防衛に成功していたのです。
そして、趙王様は、その成果を知ってしまいました。
趙王様『…………。』
趙王様『ちょっと待てよ。』
趙王様『こいつ、匈奴と遊んでいただけなのに、雁門の羊も住民も、一人も失っていないのか??』
李牧さん『はい。その通りです。』
趙王様『…………なるほど。』
趙王様『そうか!!』
趙王様『リーダーの仕事なんて、それくらい肩の力を抜くくらいで、ちょうどいいんだ!!』
李牧さん『えっ!?』
趙王様『何も、俺が毎日、国家のことを心配する必要なんかないんだな!!』
李牧さん『い、いえ。そういう意味では……。』
趙王様『よし!! これからは俺も、好きなことをして暮らすぞ!!』
李牧さん『ちょ、趙王様!?』
……。
こうして、後のキングダム本編に登場する、あの前趙王様が誕生してしまったのではないでしょうか?
何しろ、李牧さんは、雁門の住民たちを守るために、戦闘を避けるという合理的な戦略を実践していました。
しかし、その本質を理解しないまま、趙王様が表面的な部分だけを真似してしまったら、どうなるでしょうか??
李牧さんは、戦わないために、徹底的に準備をしていた。
ところが、趙王様は、準備も何もせず、ただ仕事をしなくなってしまった。
同じ「戦わない」「無理をしない」という方針でも、その中身はまったく違うわけです。
にもかかわらず、趙王様がそれを取り違えた結果、国家の政治そのものが、完全に崩壊してしまった……。
そんな可能性すら考えられるのではないでしょうか。
李牧さんの特殊性癖が、前趙王様に感染してしまった可能性まである!?
さらに、ここで忘れてはならないのが、李牧さん自身の特殊な人物像です。
何しろ、李牧さんは、中年になってようやくカイネとの初恋を実らせた人物です。
そのため、長年、読者の間でも、
「李牧さんって、実は何か特殊な性癖、幼女の体でしか興奮できないロリコンだよね。??」
などと、噂されてきました。
しかし、もしも、その独特な感性が、若き日の前趙王様にまで影響を与えていたとしたら……??
もともとは国防に熱心だった趙王様が、李牧さんとの出会いをきっかけに、国家運営よりも自分の趣味や快楽を優先する人物へと変貌してしまった。という結果につながることがいとも簡単に予想出来てしまいます。
そして、その結果、趙国の政治が乱れ、後のキングダム本編で描かれた惨状につながってしまった。
つまり、趙国を滅亡へと導いた前趙王様の堕落は、実は若き日の李牧さんとの出会いから始まっていたのではないでしょうか!?
しかし、今回の更迭劇によって、李牧さんと前趙王様がどのような関係を築くことになるのかは、非常に気になるところです。
読み切り版の筋書きを踏襲するのか。
それとも、キングダム本編の前趙王様の人物像に合わせて、新しい展開が描かれるのか。
次回は、李牧さんの処遇だけでなく、後の趙国を大混乱に陥れる前趙王様の人物像にも、注目したいと思います。
予想ポイント② 李牧さん更迭の真犯人はフテイ。後任のモブ将軍が犠牲になる未来しか見えない!
さて、李牧さんが趙王様によって更迭され、邯鄲へ強制送還されることになりました。
そうなると、次に待っている展開は、ある程度予想できてしまいます。
おそらく、李牧さんがいなくなった雁門は、再び匈奴による惨劇に見舞われることになるでしょう。
うーーーーーーむ……。
これは、なかなか厳しい話ですね。
しかし、残念ながら、この展開は避けられないように思えます。
というのも、今回の物語は、読み切り版で描かれた李牧さんの過去を踏まえて進行しているからです。
この先には、李牧さんの復帰、そして十万規模の匈奴軍に対する大反撃という展開が待っているはずです。
そのためには、一度、李牧さんの防衛戦略が否定され、雁門が再び危機に陥るという過程が必要になります。
李牧さんがいなくなっても、雁門の住民たちが何事もなく平和に暮らしているのであれば、わざわざ李牧さんを呼び戻す必要がありませんからね。
つまり、物語の構成上、李牧さんの更迭によって雁門の防衛体制が崩壊し、匈奴の襲撃による被害が再発する可能性は、かなり高いのではないでしょうか。
馬南慈の長男・馬空慈も、ここで命を落としてしまうのか!?
そして、ここで気になるのが、今回の回想に登場している雁門の仲間たちです。
特に、馬南慈の長男であり、馬風慈の兄と思われる馬空慈。
彼もまた、今回の惨劇で命を落としてしまうのかもしれません。
現在のキングダム本編では、馬南慈や馬風慈の姿が描かれている一方で、今回の回想に登場した馬空慈については、その後の消息が気になります。
もしも、李牧さんの更迭によって雁門の防衛体制が崩れ、匈奴との無謀な戦闘が再開されるのであれば、彼がその犠牲者になるという展開も考えられます。
何しろ、今回の過去編では、李牧さんが赴任して以来、雁門では誰一人として仲間を失っていないことが強調されていました。
その直後に李牧さんが更迭されるのです。
となれば、次に描かれるのは、その平和が失われる瞬間なのかもしれません。
これまで誰一人として死なせなかった李牧さんの防衛戦略が、趙王様の命令一つで否定され、再び仲間たちの命が失われてしまう。
そう考えると、今回の更迭劇は、なかなか残酷な展開につながりそうですね。
まさかの密告者は傅抵!? 若い頃から将来有望な小物だった説!
ところで、ここで一つ、とんでもない予想を思いついてしまいました。
今回、李牧さんが更迭される原因となった、雁門での「臆病な戦術」とやら。
いったい誰が、その情報を趙王様に密告したのでしょうか??
もちろん、普通に考えれば、中央から派遣された将軍や、その関係者による報告だったのでしょう。
しかし……。
もしも、その密告者が、ほかならぬ若き日の傅抵だったとしたら、クッソ笑えませんか!?
いや、これが本当だったら、読者の皆さんも、さすがに腹を抱えるでしょう。
読者A『お、お前……そんな時期から将来有望な小物だったのかよ!!』
読者B『いくらカイネを取られそうだからって、雁門を売るか!?』
読者C『小物すぎるにしても、似合いすぎだろ!!』
読者D『それでいて、お前、何をそこから本編でちゃっかり李牧さんに役職まで任命してもらってんだよ!!』
……。
いや、もう、想像するだけで腹が痛いですわ。
もしも傅抵が、若い頃からカイネに好意を抱いていて、李牧さんを恋敵として敵視していたとしたら……。
傅抵『くっそおお!! またカイネが李牧様、李牧様って!!』
傅抵『こうなったら、あいつが匈奴とまともに戦ってないことを、趙王様に報告してやる!!』
傅抵『これで李牧の奴がいなくなれば、カイネは俺のものだ!!』
……などという、あまりにもしょうもない動機で、国家の北方防衛を危機に陥れてしまった可能性すらあります。
しかも、後年のキングダム本編では、その李牧さんの部下として、しっかり仕事も役職も与えられているのです。
お前、どの面下げて李牧さんの側近やってるんだよ!!(笑)
李牧さんがいなくなっただけでは、雁門の防衛体制は崩壊しないはず!
さて、話がそれました。
ここからは、もう少し真面目に考えてみましょう。
実は、李牧さんが更迭されたからといって、それだけで雁門が匈奴に蹂躙されるとは限りません。
なぜなら、雁門には、すでに李牧さんが構築した防衛体制が存在しているからです。
匈奴の動向を事前に察知する索敵網。
住民たちを迅速に避難させる仕組み。
匈奴との正面衝突を避け、砦に籠もって被害を最小限に抑える戦略。
さらに、匈奴の勢力圏にまで入り込んで、物見櫓やバリケードを設置する工作部隊まで存在しています。
これらは、李牧さん一人がいなくなったからといって、翌日からすべて消滅するようなものではありません。
馬南慈をはじめ、雁門の将兵たちが、それまでの李牧さんの指導を守り続ければ、ある程度の防衛機能は維持できるはずです。
つまり、李牧さんが更迭されたというだけでは、雁門が再び惨劇に見舞われる理由としては不十分なのです。
では、いったい何が起きるのでしょうか。
趙王様が送り込む後任将軍こそ、雁門崩壊の引き金になる!?
ここで考えられるのが、李牧さんの後任として、新たな将軍が中央から派遣されてくるという展開です。
しかも、その後任将軍は、李牧さんの防衛戦略を否定する人物である可能性が高いでしょう。
何しろ、李牧さんは、匈奴と積極的に戦わなかったことを理由に更迭されたのです。
その後任として、同じように防衛に徹する将軍を派遣したのでは、更迭した意味がありません。
当然、趙王様としては、匈奴に対して勇猛果敢に戦い、敵将の首を挙げるような将軍を送り込もうとするはずです。
そして、その新しい将軍が、李牧さんの築いた防衛体制を無理やり変更してしまう。
例えば、これまで徹底していた住民の避難よりも、匈奴への迎撃を優先する。
砦に籠もることを臆病な戦術だと決めつけ、野戦で決着をつけようとする。
あるいは、李牧さんの指導を受けた馬南慈たちに対して、積極的な出撃を命じる。
そうなれば、どうなるでしょうか。
雁門の限られた兵力では、匈奴の大軍に正面から勝つことなどできません。
結果として、李牧さんが守り抜いてきた住民たちの命が、再び失われることになるのです。
つまり、雁門の惨劇を引き起こすのは、李牧さんの不在そのものではなく、後任将軍による防衛方針の強制変更なのではないでしょうか!?
そして、この後任将軍は、恐らく李牧さんの再登場を演出するための、いわば生贄のような役回りになるのでしょう。
せっかく中央から派遣されてきたのに、匈奴を相手に勇猛果敢に戦おうとして大敗する。
雁門の住民たちからは恨まれ、趙王様からも責任を追及される。
そして、結局は李牧さんを呼び戻すしかなくなってしまう。
……。
うーん。
この後任のモブ将軍、登場する前から、もう死亡フラグが立っているような気がします。
まあ、李牧さんが復帰し、十万規模の匈奴軍に対して大反撃を開始するためには、どうしても必要なイベントなのでしょう。
雁門の住民たちが再び犠牲になるのは、非常に残念です。
しかし、物語の展開としては、ここは読者も黙って受け入れるしかないのかもしれませんね……。(泣)