ここまでのおさらい
まずは、ここまでの戦況を整理しておきましょう。
飛信隊は当初、趙軍との正面戦線を維持する秦軍主力の一角として配置されていました。
周囲には羌瘣軍だけではありません。
録嗚未軍、楊端和軍、そして蒙恬率いる楽華軍など、多数の秦軍が各方面で趙軍と激戦を繰り広げています。
つまり、本来であれば秦軍は各軍が横一線に戦列を形成し、少しずつ趙軍を押し込んでいく形が基本戦略でした。
ところが、その均衡を自ら崩したのが飛信隊です。
李信は大胆にも戦列を離脱し、邯鄲への突破を決断しました。
もちろん主人公らしい豪胆な判断ではありますが、冷静に軍事的な視点だけで見れば、かなり危険な賭けだったと言わざるを得ません。
しかも、その時点で飛信隊が率いていた兵力の全てが同行できたわけではありません。
本隊の大半は各地で交戦中。
結果として李信の周囲には約一万人程度しか集まらず、そのまま趙王都・邯鄲を目指すことになります。
以前の記事でも書きましたが、私はこの時点で疑問を抱いていました。
「飛信隊だけで邯鄲へ到達したところで、一体何ができるのでしょうか。」
仮に城下へ到達できたとしても、一万人程度で王都を攻略するのは現実的とは言えません。
ましてや、その後方には李牧さんがおり、前方には王都防衛軍まで控えています。
戦略的には、かなり無理のある挑戦だったと言えるでしょう。
そして、その懸念は現実となります。
李牧さんは自ら前線へ姿を現し、飛信隊へ猛攻を開始しました。
さらに紀彗軍、傅抵軍、骨珉伯軍など各軍の兵力を集結させ、ついには王都軍まで動員するという、これ以上ない規模の包囲網を構築します。
まさに李信一人を討ち取るためだけに、趙軍全体が動いたような状況です。
ここまで兵力差が開けば、普通の軍であれば壊滅していても不思議ではありません。
しかし、それでも飛信隊は踏みとどまりました。
羌瘣軍が合流し、さらに土壇場で蒙恬率いる楽華軍が戦場へ到着。
前回のラストでは、絶望的だった戦況にようやく突破口が見え始めています。
逆に言えば、この時点で苦しい立場へ追い込まれつつあるのは李牧さんでもあります。
ここまで大規模な包囲戦を仕掛けながら、最大目標である李信の首はまだ取れていません。
しかも、蒙恬という秦軍のもう一人の若き将まで自ら包囲圏へ飛び込んできました。
この状況を李牧さんがどう判断するのか。
そして秦軍はどのように包囲網を突破するのか。
ここらへんが、第882話最大の見どころになりそうです。
キングダム次回予想ポイント
さて、ここからは毎度恒例となる、次回・キングダム第882話の予想に入っていきたいと思います。
まずは、ここまでの戦況を整理しておきましょう。
飛信隊は、李牧さんによる大包囲を受け、まさに絶体絶命の状況まで追い込まれました。
しかし、その土壇場で羌瘣軍が合流。
さらに、蒙恬率いる楽華軍までもが駆け付けたことで、戦局は再び大きく動き始めています。
ここまで李牧さんは、自ら前線へ赴き、王都軍まで動員するという異例とも言える対応を取りました。
その狙いは極めて明確です。
「何としても李信の首を取ること。」
これ一点に尽きます。
ところが、ここまで徹底した包囲網を敷きながらも、その最大目標はまだ達成されていません。
主人公である李信は健在。
羌瘣も健在。
さらに蒙恬まで合流してしまいました。
ここまで来ると、次回最大の見どころは「秦軍がどう脱出するか」よりも、「李牧さんがこの状況をどう受け止めるのか」に移ってきます。
今回の戦いは、飛信隊にとっても大きな試練でした。
しかし、それ以上に、この戦いは李牧さん自身の評価を左右する戦いになっているようにも見えます。
では、第882話で注目しているポイントを順番に見ていきましょう。
予想① 李牧さんのリアクション
私が最も気になっているのは、やはり李牧さんです。
まず率直な疑問があります。
どうして蒙恬率いる楽華軍の接近に気付かなかったのでしょうか。
今回の包囲は、小規模な局地戦ではありません。
十万人規模とも言える大包囲です。
普通であれば、敵軍の援軍など真っ先に把握していなければならない状況です。
ところが結果として、
蒙恬は突破。
李信との合流にも成功。
そして脱出の糸口まで作ってしまいました。
秦軍側から見れば、本当に恐れるべき展開はこちらでしょう。
李牧さんが、
「飛んで火に入る夏の虫とはこのことです。まさか蒙恬まで自ら飛び込んでくるとは思いませんでした。重畳です。他はどうでも構いません。李信と蒙恬がいる地点だけを最大包囲なさい。あの二人さえ拿捕すれば、残りの秦軍は自ずと瓦解します。」
このような判断を下せば、秦軍は一気に窮地へ陥ります。
軍略だけを考えれば、こちらが最善手でしょう。
李信だけでなく、蒙恬まで失えば、秦軍右翼の将来そのものが揺らぎます。
しかし、私はその展開にはならないと考えています。
身も蓋もありませんが、キングダムは漫画です。
主人公である李信がここで捕まることはありません。
そして蒙恬もまた、この段階で退場する人物ではありません。
つまり、李牧さんは今回も何らかの形で取り逃がすことになります。
問題は、「なぜ取り逃がしたのか」を読者が納得できる形で描けるかどうかです。
ここまで圧倒的な兵力を集め、
自ら前線に立ち、
王都軍まで投入し、
なお最大目標を逃したとなれば、
李牧さんの評価にも影響しかねません。
だからこそ、第882話では、作者がどのような理由付けを行うのかに注目しています。
予想② 実は秦軍は、本来の戦線へ戻ればいいだけ
もう一つ、忘れてはいけない点があります。
今回の状況は、そもそも李牧さんの策が完璧だったというより、飛信隊側の判断ミスから始まっています。
本来、飛信隊は羌瘣軍や友軍と共に、大規模な戦線を担当していました。
楽華軍も同様です。
ところが李信は、その持ち場を離れ、邯鄲攻略という大胆な行動に出ました。
河了貂もそれを止めませんでした。
結果として、一万人程度で趙王都を攻略しようという、かなり無理のある作戦になってしまったわけです。
だからこそ、ここから先の秦軍の選択肢は案外シンプルです。
無理に邯鄲を狙い続ける必要はありません。
脱出する。
そして本隊へ戻る。
これだけで十分です。
録嗚未軍。
楊端和軍。
そして各方面で戦っている秦軍主力。
本来の持ち場へ戻れば、再び大規模な戦線を形成できます。
逆に言えば、李牧さんは今、非常に危険な賭けをしています。
十万単位の兵力を動員しながら、その目的が「李信一万人の殲滅」に集中しているからです。
もし李信と蒙恬が脱出してしまえば、その大量の兵力は何の成果も上げないまま拘束されたことになります。
さらに気になるのは、趙国内での政治的評価です。
仮に郭開や趙王の立場から見れば、こう思われても不思議ではありません。
「李牧さん。
前線を離れて王都まで戻ってきたと思ったら、王都軍まで勝手に動員した。
それだけの兵力を集めておきながら、李信も蒙恬も逃がした。
これは一体どういうことなのですか。」
もちろん、現実には郭開は李牧さんを失脚させたい立場です。
ですから、戦果を挙げられなかった場合、この判断は後々まで利用される可能性があります。
つまり今回の戦いは、戦場だけではなく、趙国内の政治という意味でも李牧さんにとって大きな勝負になっているのではないでしょうか。
予想③ ついに昂クン投入か
そして最後。
私が以前から予想し続けているのが、昂クンの出番です。
これだけ危機的な状況を作りながら、作者が昂クンを一切使わず終わらせるとは考えにくいのです。
むしろ、ここまで徹底的に飛信隊を追い込んだからこそ、ようやく投入できる「切り札」が昂クンなのではないでしょうか。
仮に昂クン率いる特別百人隊が投入されるなら、その役割は単純です。
突破口の形成。
局地戦の制圧。
そして味方の脱出支援。
百人という少数精鋭だからこそ、通常の大軍ではできない動きが可能になります。
しかし、本当にそれだけで済むのか??
本気を出した彼らが、何をしでかすか、私は心配です。
もし昂クンが本当に暴れ始めたら、李牧軍は大混乱でしょう。それは間違いありません。
あまりにも残酷且つ凄惨極まる、一方的な戦闘になれば、逆に作者も正面から描き切れないかもしれません。
ヤングジャンプ編集からも規制がかかること間違いないでしょう、。
むしろ、リアルな戦争ドキュメンタリーのような演出になる可能性すらあります。
例えば、戦いが終わった後。
生還兵たちが静かにインタビューで証言する場面です。
紀〇さん(38歳)
「ええ、覚えています。
まだ若い青年でした。
私の息子と同じくらいでしょうか。
信じてもらえないかもしれませんが……。
彼は笑っていたんです。
戦場で。
その静かな笑みを見た瞬間、周囲の空気が変わりました。
次に私が見たのは、馬呈将軍が馬上から吹き飛ばされる光景でした。
あれから先のことは、よく覚えていません。
ソコには、何か巨大な柱のようなものが、天に向かって突き立っていて。
それが、急に戦場に倒れてきて、こちらに向かって転がりだすと、、
気付けば私の周囲には、叫び声だけが響いていました。」
もちろん、こんなもので済めばいいのですが、、
しかし、それくらい「切り札」としての昂クンを期待している読者も少なくないのではないでしょうか。
まとめ
第882話は、単純な脱出戦では終わらないと考えています。
一つは、李牧さんがここまでの戦果をどう総括するのか。
もう一つは、秦軍が本来の戦線へ復帰する流れが描かれるのか。
そして最後に、昂クンという「最後のカード」が切られるのか。
この三点が、大きな見どころになるのではないでしょうか。
果たして李牧さんは、この最大包囲を戦果へと結び付けることができるのか。
それとも飛信隊は、またしても歴史を覆すような突破劇を見せるのか。
次回、第882話に注目です。