2026年10月29日発売の週刊ヤングジャンプ48号に掲載されている、キングダム第892話「不思議な縁」のネタバレ&感想になります。
今回は、カイネが河了貂に語る李牧さんの過去、そして雁門で起きた大惨劇が描かれます。
李牧さんが更迭された後、雁門の運命は一変します。
さらに、史記にも記されている匈奴十万騎撃破の戦いと、李牧さんが秦軍との戦いに参戦するまでの経緯も明らかになります。
そして今回、個人的に何よりも惜しまれるのが、馬南慈の息子である馬空慈の戦死です。
いや~~~、どうして神様は、あれほど将来性のある人物を退場させてしまったのでしょうか。
それでは、今週の本編を振り返っていきましょう。
キングダム第892話ネタバレ① 李牧さん、ついに更迭される
物語の冒頭では、『史記』廉頗藺相如列伝の記述が紹介されます。
李牧さんは、匈奴が侵入してくるたびに狼煙を上げ、住民や家畜を砦へ避難させ、決して戦おうとはしませんでした。
その結果、数年にわたって損害を出さずに雁門を守り続けていたのです。
ところが、匈奴だけでなく、趙の兵士や住民からも李牧さんは臆病者だと思われるようになります。
ついには趙王から戦い方を改めるよう非難されますが、それでも李牧さんは従来の方針を変えません。
怒った趙王は李牧さんを更迭し、別の将軍を雁門へ送り込むことになりました。
ここから、雁門の運命が大きく変わっていきます。
李牧さんが更迭されると聞いたカイネは、急いで馬を走らせます。
そして、雁門を去ろうとする李牧さんに声をかけるのですが、李牧さんは何も言わず、ただ笑みを浮かべます。
さらに、自分の胸を一度叩くことで、カイネにあることを伝えました。
それは、命を大切にするように、という意味でした。
カイネは去っていく李牧さんを、ただ見送ることしかできません。
ところが、そんなカイネに声をかけてきたのがショウです。
ショウは嬉しそうに、ついに腰抜け将軍がいなくなったと喜んでいました。
さらに、ショウの仲間の一人が笑いながら事情を説明します。
なんと、ショウの伯父は邯鄲で役人をしており、雁門の情けない現状を上層部へ報告してもらったというのです。
しかも、ショウがかなり大袈裟に伝えたおかげで、李牧さんの更迭が実現したのだとか。
それだけではありません。
伯父から聞いた話では、李牧さんは邯鄲で斬首される予定だというのです。
これを聞いたカイネは絶句します。
そして、ショウに対して、やり方が汚いと食ってかかります。
しかし、ショウたちは、どうしてカイネが怒っているのかさえ理解できません。
カイネは悔しそうに歯を食いしばることしかできませんでした。
キングダム第892話ネタバレ② 新将軍の積極攻勢!雁門軍が匈奴領へ侵攻
ここで場面は、牢の中でカイネの話を聞いている河了貂へ戻ります。
李牧さんが更迭されたという事実に、貂も呆然としていました。
しかし、本当に恐ろしい出来事が起きるのは、ここからだったのです。
カイネによれば、李牧さんの後任としてやってきた将軍は、それまでとは正反対の、非常に好戦的な人物でした。
匈奴が侵入してくると、新将軍は雁門兵に命じて積極的に攻撃を仕掛けます。
これまで李牧さんの不戦戦術に慣れていた匈奴は、突然の攻撃に対応できず、徹底的に叩かれてしまいました。
ところが、新将軍はこの勝利だけでは満足しません。
なんと、雁門の兵士をかき集め、長城の国境を越えて匈奴の領域へ攻め込んでしまったのです。
そして、匈奴の領域へ足を踏み入れたカイネたちは、そこで信じられない光景を目にします。
見渡す限り、匈奴の兵士で埋め尽くされていたのです。
あまりにも圧倒的な兵力差に、雁門の兵士たちは絶句します。
これでは戦いにならない。
誰もがそう感じていました。
しかし、新将軍は違いました。
戦いは数ではなく策で決まると豪語し、両翼からの突撃を命じたのです。
こうして、雁門軍と匈奴の戦いが始まります。
ところが、カイネによれば、それはもはや戦いと呼べるものではありませんでした。
キングダム第892話ネタバレ③ 雁門軍壊滅!匈奴による大虐殺
待っていたのは、匈奴による凄まじい殺戮でした。
新将軍とともに中央から送り込まれてきた兵士たちは全滅。
雁門の兵士たちも、散り散りになって敗走するしかありませんでした。
カイネたちも、何とか生き延びることで精一杯だったのです。
しかし、さらに恐ろしい事態が待っていました。
雁門軍が匈奴領内で壊滅している間に、別の匈奴の大軍が雁門へ侵入していたのです。
そして、雁門の大砦が陥落していました。
これによって、雁門の住民たちは逃げ込む場所を失ってしまいます。
それまで李牧さんの戦術によって守られてきた雁門の集落は、次々と匈奴に襲われます。
住民たちは蹂躙され、家も畑も失われていきました。
もはや、雁門で生活を続けることはできません。
生き残った住民たちは、故郷を捨てて南へ逃げるしかありませんでした。
まさしく、雁門の状況は一変してしまったのです。
カイネたち雁門軍も、二つに分かれて行動することになります。
一方は南へ避難する住民を守る部隊。
もう一方は、まだ雁門に取り残されている住民を救出する部隊です。
カイネは後者を選び、雁門に残って匈奴と戦い続けることになりました。
しかし、その戦いの中で、仲間たちは次々と命を落としていきます。
馬南慈の息子の一人である空慈も戦死。
さらに、李牧さんを更迭に追い込むきっかけを作ったショウも命を落としました。
生き残った兵士たちは、李牧さんがいた頃を思い出します。
あの頃は、まるで夢のようだったと。
李牧さんが指揮を執っていた頃は、羊一匹さえ失われませんでした。
そして、誰一人として死ななかったのです。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。
兵士たちは、失って初めて李牧さんの戦術がどれほど優れていたのかを理解したのでした。
カイネもまた、仲間たちの墓の前で一人うなだれ、涙を流していました。
キングダム第892話ネタバレ④ 李牧さん、雁門へ帰還!
雨が降り続く中、カイネは仲間たちの墓の前で泣いていました。
すると、背後から誰かが近づいてくる足音が聞こえます。
匈奴との戦いが続いているため、カイネは即座に反応し、武器へ手を伸ばします。
しかし、背後から聞こえてきたのは、聞き覚えのある声でした。
牢の中でも聞いていたが、想像以上に派手にやられてしまったようですね、と。
そして、そのおかげで自分も牢から出してもらえたのだと続けます。
振り返ったカイネの前に立っていたのは、李牧さんでした。
李牧さんは、いつもの穏やかな笑みを浮かべています。
そして、カイネに帰還を告げると、残念ながら再び腰抜け作戦を始めることになると語りかけたのです。
その姿を見た瞬間、カイネは涙を止められなくなりました。
そして、李牧さんの胸へ飛び込んでいきます。
李牧さんもカイネを受け止め、生き残っていてくれてよかったと声をかけました。
かつて李牧さんを臆病者だと笑っていた雁門の人々。
しかし、その李牧さんが帰ってきたことによって、ようやく雁門に希望が戻ってきたのでした。
キングダム第892話ネタバレ⑤ 雁門の再建!再び始まる不戦戦術
カイネの話を聞いていた河了貂も、今にも泣き出しそうになっていました。
カイネは、李牧さんが再び雁門の司令官として派遣された後の出来事を語り続けます。
匈奴によって蹂躙された雁門からは、人も羊も姿を消していました。
匈奴は土地に定住する民族ではないため、奪うものがなくなった雁門から去っていきます。
そして、李牧さんとカイネたちは、再び雁門へ戻りました。
そこから、雁門の再建が始まったのです。
破壊された砦を修復し、焼き払われた家々を建て直します。
そして、李牧さんは以前と同じ不戦戦術を徹底しました。
匈奴が侵入してきても無理に戦わず、住民と家畜を守り、損害を出さないことを最優先にしたのです。
こうして、少しずつ雁門の生活は復活していきました。
そして、再び匈奴が何一つ奪うことのできない雁門が戻ってきたのです。
ここまでの話を聞いた河了貂は、思わず感嘆の声を漏らします。
しかし、カイネによれば、この話にはもう少しだけ後日談がありました。
キングダム第892話ネタバレ⑥ 李牧さん、十五万の大軍で匈奴十万騎を撃破!
それから数年後のことです。
匈奴の大族が集結し、雁門を襲撃する準備を進めているという情報が入ってきました。
これを受けて、李牧さんはついに匈奴との決戦を決意します。
それまで徹底して戦闘を避け続けてきた李牧さんが、初めて大規模な攻勢へ転じたのです。
李牧さんは趙の北部全域から兵士を集めます。
その数、なんと十五万人。
一方、匈奴側も同程度の兵力を集結させていました。
双方合わせて約三十万人という、途方もない規模の戦いになったのです。
カイネ自身も、あまりにも規模が大きすぎて、何が何だかわからなかったと振り返ります。
しかし、李牧さんの指示どおりに戦った結果、趙軍は圧勝しました。
この戦いで、匈奴はおよそ十万人もの戦死者を出したといいます。
そして、この大敗を境に、匈奴は二度と雁門へ近づかなくなったのでした。
ここでも『史記』廉頗藺相如列伝の記述が紹介されます。
李牧さんは巧みに陣形を組み、左右両翼を展開して匈奴を撃破し、十万騎以上を討ち取ったというものです。
これこそが、後に秦国との戦いで恐れられることになる李牧さんの、北方での大戦果だったのです。
キングダム第892話ネタバレ⑦ 楊端和が目撃した十万の匈奴の死体!
この話を聞いた河了貂は、ある出来事を思い出します。
それは、かつて楊端和が匈奴を討伐しに行った際、十万人もの匈奴の死体が積み上がっている光景を目撃したという話でした。
河了貂は、その死体の山こそ、李牧さんが匈奴を撃破した戦場の跡だったのだと気づきます。
これまで別々の出来事として語られていた、李牧さんの匈奴討伐と楊端和の目撃談。
今回、両者が一つにつながったわけです。
さらに河了貂は、匈奴を撃破した後の趙北部軍がどうなったのかを尋ねます。
カイネによれば、十五万人もの北部軍は、その後ほとんどが解散したとのこと。
しかし、数万人の兵士はそのまま残り、南下して趙中央部の戦いへ参戦することになりました。
そして、その軍勢が投入された戦いこそ、王騎将軍が討たれた馬陽の戦いだったのです。
キングダム第892話ネタバレ⑧ カイネと河了貂、不思議な縁
カイネは、馬陽の戦いについて語り続けます。
あの戦いでは、李牧さんとカイネは、先に戦っていた趙軍の戦況を確認するために現地へ向かいました。
そして、その場所で出会ったのが河了貂だったのです。
当時の河了貂は、蒙毅とともに戦場を見学していました。
李牧さんとカイネにとっても、河了貂にとっても、後に敵同士として戦うことになる相手との出会いでした。
それから長い年月が流れ、今度は秦軍の軍師となった河了貂と、李牧さんを支えるカイネが、こうして牢の中で語り合っています。
カイネは、これも不思議な縁だと口にします。
河了貂も、その言葉に静かに同意しました。
そして、カイネは自分の話ばかりしてしまったことを謝ります。
しかし、河了貂は気が紛れたと答え、カイネに礼を言いました。
すると、カイネは悲しそうに顔を歪めながら、今度は河了貂自身の話を聞きたいと告げます。
河了貂のことを、もう少しだけ知っておきたいのだと。
河了貂も笑顔を見せ、カイネほどではないけれど、自分にもいろいろな出来事があったと語り始めます。
こうして、二人の間で今度は河了貂の昔話が始まりました。
しかし、そんな時間も長くは続きません。
牢の外で待機していた燕隼が、カイネに声をかけます。
空が白み始めているため、そろそろ時間だというのです。
その言葉を聞いた河了貂は、何も言わず、ただ下へ目を向けます。
カイネも短く返事をしました。
夜が明けようとしていました。
そして、二人に残された時間も、終わりに近づいているようです。
ここで、キングダム第892話「不思議な縁」は終了となります。
キングダム第892話 感想&考察
考察① 李牧さん更迭の犯人はショウだった!しかし、本当に恐ろしいのは……?
さて、今回のキングダム第892話。
まず明らかになったのは、李牧さんを更迭に追い込んだ犯人が、ほかならぬショウ君だったということです。
うーーーーーん。
結局、李牧さん更迭の経緯は、以前のキングダム本編で描かれた構成と、ほとんど一緒でしたね。
というわけで、前回の当ブログの予想は外れてしまいました。
もっとも、これはおそらく、神(作者)様が当ブログを読んで、ネタバレを回避するために急遽本編を書き換えたものと推察されます。
何しろ、神様としても、すでに存在している読み切り版をリライトする方が、作業としては楽でしょうからね。
いや~~~、こればかりは致し方ありません。(笑)
さて、それはともかく。
今回、ショウ君が伯父を通じて邯鄲へ報告した内容が、相当に大袈裟な讒言だったとしても……。
その結果、派遣されてきた後任将軍が、輪をかけてバカだったことが悔やまれます。
いや、ちょっと待ってくださいよ??
そもそも、李牧さんが雁門に赴任する以前は、匈奴との戦いによって、派遣されてきた将軍たちまで次々と命を落としていたという話でしたよね。
しかし、今回の李牧さん更迭は、それまでとは事情が違うはずなんですよ。
というのも、李牧さんは雁門に赴任してから、少なくとも数年間、ほとんど損害を出すことなく防衛を成功させていたわけです。
当然、その間には、雁門周辺の地理的条件や、匈奴側の兵力、侵攻経路、行動パターンなど、様々な情報を調べていたはずです。
さらに、実際に匈奴が侵入してきた際の対応や、住民の避難経路、砦の防衛体制などについても、相当な情報が蓄積されていたと考えられます。
つまり、それまでの将軍たちが次々と戦死することで失われていた、作戦構築、状況判断、作戦変更のための予備知識が、李牧さんの指揮下で初めて体系的に蓄積されていた可能性が高いわけです。
だったらですよ??
仮に、後任将軍が李牧さんとは違って、匈奴に対する積極攻撃を得意とする武将だったとしても、それはそれで構わないんですよ。
軍事作戦の目的や、得意とする戦術、行動方針が違うこと自体は、別におかしな話ではありません。
しかし、そうであったとしても……。
まずは、これまで雁門を守り続けてきた李牧さんから、聞けるだけの情報を収集するのが当たり前じゃありませんか??
何しろ、自分がこれから戦うことになる相手について、数年間も調査と実戦対応を積み重ねてきた前任者が、目の前にいるんですよ。
その人物が採用していた戦術を踏襲するかどうかは、また別の問題です。
しかし、敵の兵力規模や行動傾向、地形、補給、国境周辺の状況については、当然確認しておくべきでしょう。
ましてや、これから国境を越えて敵の本拠地へ攻め込もうというのですから、なおさらです。
ほら??
どんな職場であれ、普通は引き継ぎくらいやりますやん??(笑)
前任者が更迭されたからといって、それまでに蓄積した業務上の情報まで捨てていいわけではありません。
ところが、今回の後任将軍は、国境を越えた途端に、見渡す限りの匈奴軍を目の当たりにしてしまいました。
そして、部下たちが絶望しているにもかかわらず、戦いは数ではなく策だと豪語して、両翼突撃を命じてしまいます。
いやいやいやいや。
それ、そもそも敵がどれくらいいるのか、把握していなかったんですか??
李牧さんが数年間も戦闘を避けていた理由について、少しでも調べていれば、こんな無謀な作戦にはならなかったんじゃないでしょうか。
……。
いや、待てよ??
もしかしたら、李牧さん自身が更迭されたことへの仕返しとして、後任将軍に対して、あえて何も情報を伝えなかった可能性もありますよね。
自分を追い出した趙王と、その命令でやってきた後任将軍に対して、
李牧さん『そうですか。では、あとはご自由にどうぞ。』
とでも言わんばかりに、必要な情報を一切引き継がず、そのまま邯鄲へ帰ってしまったとか……。
もしそうだったとしたら、なかなか李牧さんも人間臭いところがあるじゃありませんか。(笑)
……ん??
いや、逆か。
その結果、雁門の民が匈奴によって徹底的に蹂躙されているんですよね。
ということは、もし李牧さんが、後任将軍の失敗を予測しながら、あえて重要な情報を伝えなかったのだとしたら……。
それは単なる仕返しでは済まされません。
李牧さんの正体は悪魔説が、いよいよ濃厚になってしまいますよ!?(笑)
いや、だって。
今回の話の後半で、李牧さんがカイネの前に帰ってきたときのセリフを思い出してください。
雁門が想像以上に派手にやられたおかげで、自分も牢屋から出してもらえた、という趣旨のことを言っていましたよね。
もちろん、あの場面は、いつもの李牧さんらしい皮肉交じりの冗談だったのでしょう。
しかし、もしも李牧さんが、後任将軍の失敗をある程度予測していたのだとすれば……。
あのセリフ、皮肉にしては、やけにリアルすぎませんかね??(苦笑)
自分がいなくなれば雁門がどうなるのか。
そして、雁門が壊滅すれば、趙王が再び自分を必要とすることになる。
そこまで計算していたとしたら、李牧さんは我々が思っている以上に、とんでもなく恐ろしい人物だったことになります。
まあ、現時点では、李牧さんが後任将軍にどの程度の情報を引き継いだのかは描かれていません。
したがって、これはあくまで当ブログの邪推にすぎませんが……。
それにしても、後任将軍があまりにも無能すぎたせいで、李牧さんの有能さどころか、李牧さんの悪魔的な一面まで疑いたくなってしまうという、何とも困った話なのでした。(笑)
考察② 馬空慈の喪失!なぜ神様はフテイではなく彼を退場させたのか!?
さて、今回のキングダム第892話。
個人的に、何よりも惜しまれるのが、馬南慈の息子であり、馬風慈君の兄貴でもある、馬空慈の戦死です。
いや~~~、キングダムには、これがあるんですよ。
連載初期に登場した漂が、まさしくそうだったように。
たった少しの間しか登場していないにもかかわらず、読者に凄まじい好感と印象を残していくキャラクターがいるんです。
そして、今回の雁門編において、その役割を担ったのが馬空慈だったのではないでしょうか。
何しろ、馬空慈は若手集団の中でも、戦闘の主力を担う人物でした。
しかも、それだけではありません。
あの凶暴なカイネを、李牧さんや馬南慈以外で、まともにたしなめることができる数少ない人物でもあったんですよね。
さらに、周囲の兵士たちも、彼のことを「空慈さん」と呼んでいました。
単に腕っぷしが強いだけでなく、仲間からも相応の尊敬を集めていたことがうかがえます。
こういう人物、キングダムでは意外と貴重なんですよ。
……、、、
か、彼と比べたら、フテイなんて...(汗)
あいつ、あれだけ長期間にわたって連載に登場しているのに、仲間から尊敬されている場面を見たことがある方、いらっしゃいますかね??
少なくとも、私は見た記憶がありません。
それどころか、蕞の攻防戦では、はるか高い城壁から落下する際に、自分で「フテイが落ちるぞ!」と救援を求めていたのに、誰にも気づいてもらえませんでしたからね……。
いやいやいや。
あれだけ大騒ぎしているのに、完全に空気扱いされるって、どういうことなんでしょうか??
むしろ―、
そこまで存在感を消せるのであれば、将軍なんか目指すより、隠密として諜報部に入った方がよくないですか??
敵地に潜入しても、誰にも気づかれない。
しかも、本人が大声を上げても気づかれない。
フテイ、お前には将軍以上に向いている仕事があるぞ。(汗)
……。
いや、フテイなんてどうでもいいんですわ。
話を馬空慈に戻しましょう。
馬空慈が生きていたら、李信の好敵手になれたのでは?
何気に、もしも馬空慈が生き残っていたら、主人公である李信にとって、なかなかいい同年代のライバルになったんじゃないでしょうか??
というのも、馬空慈には、李信とはまた違った形での実戦経験があったからです。
李信は幼少期を下僕として過ごし、戦場で武功を積み重ねることによって、現在の将軍という地位まで駆け上がってきました。
一方の馬空慈は、匈奴との戦いが続く雁門という過酷な土地で生き抜いてきた人物です。
当然、幼い頃から北方の厳しい戦場を知り、仲間たちとともに実戦経験を積み重ねてきたことでしょう。
しかも、李牧さんの戦術を間近で見てきたという点も大きいです。
李牧さんの作戦思想を理解し、それに合わせて行動できる武将として、相当に高い親和性を持っていたのではないでしょうか。
つまり、馬空慈が生き残り、そのまま李牧さんの側近として成長していたら……。
武力と実戦経験を備え、さらに李牧さんの戦術にも対応できる、非常に厄介な敵将になっていた可能性があります。
そして何より、主人公である李信と、同世代の好敵手として対峙する展開も考えられたはずなんですよ。
だって、考えてみてください。
李信には、秦国内に王賁や蒙恬という、同世代のライバルが存在します。
それぞれが独自の強みを持ち、将軍として競い合いながら成長してきました。
ところが...、
肝心の最大の敵国である趙において、李信の同世代のライバルに相当する人物といえば……。
あのフテイですからね。
……。
いや、釣り合っていないんですよォォォッ!!
王賁、蒙恬、李信。
そして趙には、フテイ。
うううううう……。(泣)
どうしてだ……。
どうして神様は、馬空慈の方を残してくれなかったんだ……!!
せっかく、李牧さんの配下に、これほど将来性を感じさせる若手武将がいたというのに。
それが今回、あっさり戦死してしまうなんて……。
実にもったいない話ではありませんか。
カイネたちも、いつかフテイを見て後悔するのでは?
これ、いつかカイネや骨珉伯あたりが、言ってくれないですかね??
例えば、趙軍の作戦会議で、フテイがいつもの調子で偉そうに振る舞っているときに……。
カイネ『…………。』
骨珉伯『…………。』
フテイ『何だよ、お前ら。俺の顔に何かついてんのか?』
カイネ『……はァ。』
骨珉伯『……どうした?』
カイネ『いや……もしも空慈の奴が、生きていてくれたらなって……。』
骨珉伯『……ああ。そうだな。』
フテイ『おい!? 何で俺を見ながらそんな話してんだよ!?』
……。
いや~~~、こういう場面、いつか見てみたいものです。(笑)
何しろ、馬空慈という人物がどれほど惜しまれる存在だったのか、フテイと比較すると、ますます際立ってしまいますからね。
ところで骨珉伯、お前も生き残っていたのか!?
もっとも、今回の雁門編を読んで、少し見直した人物もいます。
それが骨珉伯です。
いや、骨珉伯って、明らかにお笑い担当のキャラクターじゃありませんか。
ところが、今回の雁門蹂躙大戦では、匈奴の侵攻を受けた雁門に残り、仲間たちとともに奮闘していたわけです。
しかも、あの凄惨な戦いを生き延びているんですよね。
中央からやってきた将軍と兵士たちが全滅し、雁門の若手を代表する馬空慈まで戦死してしまった戦いです。
そんな戦場で、骨珉伯は生き残っていたわけですから、これはなかなか侮れません。
普段はお笑いポジションでも、実際には相応の戦闘経験と生存能力を持った歴戦の兵士だったということなのでしょう。
いや~~~、ちょっと骨珉伯を見直しましたよ。
……。
あれ??
じゃあ、ちょっと待ってください。
ンンン???
いや、それだったらですよ??
神様としても、骨珉伯の方を退場させて、馬空慈を生き残らせた方がよかったんじゃないですかね!?
何しろ、馬空慈には、李牧さんの側近として成長し、将来の趙軍を支える若手武将になる可能性がありました。
さらに、李信との同世代対決という、物語上の大きな見せ場を作ることもできたはずです。
それこそ、趙軍の最後の切り札として、成長した馬空慈が李信の前に立ちはだかる。
そんな展開だって、十分に考えられたのではないでしょうか。
一方の骨珉伯は……。
いや、もちろん彼も雁門を生き延びた立派な兵士なんですけどね。
でも、キャラクターとしての将来性を考えると……。
骨珉伯を残して、馬空慈を退場させるという神様の人事判断、どうにも納得がいかないんですよォォォ!!(泣)
せっかく登場した、李信の好敵手になり得る趙軍の若き逸材。
それが、李牧さん更迭による雁門の惨劇で失われてしまった。
今回の第892話は、雁門の人々が李牧さんの偉大さを知る物語であると同時に、趙軍が将来の可能性を持った人材を失ってしまった物語でもあったのかもしれません。
……。
まあ、それでもフテイだけは、しぶとく生き残っているんですけどね。(汗)