キングダム第892話「一変する雁門/不思議な縁」のおさらい
さて、今回のキングダム第892話では、ついに李牧さんが雁門から更迭され、これまで築き上げてきた防衛体制が大きく揺らぐことになりました。
前回までの雁門は、李牧さんの指揮によって、匈奴の襲撃を受けても住民や家畜に被害を出さないという、奇跡的な状況を実現していました。
ところが、その功績を正当に評価されるどころか、李牧さんは匈奴と積極的に戦わないことを問題視され、北方防衛の指揮権を奪われてしまったのです。
そして、その結果として訪れたのが、今回の悲劇でした。
前回の予想記事でも、李牧さんが更迭されれば、雁門の防衛体制は崩壊し、再び匈奴による惨劇が起きるのではないかと予想していました。
残念ながら、その懸念が現実のものとなってしまいましたね。
それでは、今回の内容を振り返ってみましょう。
李牧さんが築いた雁門の防衛体制! 戦わずして守るという選択
そもそも、李牧さんが雁門に赴任した当初、この地域は匈奴の襲撃によって、長年にわたり深刻な被害を受けていました。
匈奴は強大な騎馬戦力を有しており、雁門の限られた兵力で正面から迎え撃ったところで、勝ち目はありません。
しかし、家族や仲間を殺された雁門の戦士たちは、匈奴への復讐を望んでいました。
特にカイネは、父母や妹の仇を討つことに強く執着しており、敵と戦わない李牧さんの方針を、なかなか受け入れることができませんでした。
ところが、李牧さんの考えは違っていました。
匈奴を正面から討伐するためには、十万以上の大軍が必要になる。
そのような戦力がない以上、雁門が目指すべきなのは、敵を撃破することではなく、住民たちを守り抜くことなのです。
そこで李牧さんは、匈奴の動向を事前に察知し、住民を砦へ避難させる防衛体制を整えました。
さらに、匈奴の進軍を妨げるため、敵の勢力圏にまで入り込んで、物見櫓や障害物などを設置する工作活動も行っていたようです。
こうして、匈奴が集落へ到着する頃には、住民たちはすでに避難を完了している。
匈奴は、せっかく雁門まで侵攻してきたにもかかわらず、羊一匹奪うこともできず、手ぶらで帰っていくことになったのです。
まさに、戦わずして守るという戦略でした。
雁門の住民たちが感謝していた李牧さんが、なぜ更迭されたのか!?
その成果は、前回の宴会の場面でも明らかになっていました。
雁門では、羊の数が三十年間で最多を記録し、李牧さんの赴任以来、住民たちは誰一人として命を失っていなかったのです。
北守は、これを奇跡だと叫びながら、李牧さんに感謝していました。
ところが、中央の朝廷では、まったく違った評価が下されることになります。
匈奴を討ち取っていない。
積極的に戦っていない。
勇猛な戦果を挙げていない。
つまり、雁門の住民たちを守り抜いたという最大の功績が、中央では十分に評価されなかったわけです。
そして今回、その更迭劇の背景には、ショウという人物による讒言が関わっていたことも、重要なポイントとなりました。
李牧さんの防衛戦略が、中央へどのように報告され、どのような政治的判断によって更迭へとつながったのか。
ここには、単なる軍事的な判断ミスだけではなく、朝廷内部の思惑も絡んでいたように見えます。
何しろ、李牧さんが雁門で実現していたのは、敵軍を撃破することではなく、住民の被害を防ぐことでした。
しかし、その成果は、敵将の首や討ち取った兵数のように、分かりやすい数字で誇示できるものではありません。
中央の人間が、戦果を敵の死傷者数だけで評価していたのであれば、李牧さんの功績を理解できなかったとしても、不思議ではありません。
とはいえ、それで現地の司令官を更迭してしまうのですから、なかなか困った話です。
中央から派遣された将軍によって、雁門の状況が一変!
そして、李牧さんが去った後、雁門の状況は大きく変わってしまいます。
中央から派遣された将軍によって、これまでの防衛方針が転換されることになったのです。
ここで問題となるのは、雁門の戦士たちの勇気や戦闘能力ではありません。
そもそも、匈奴の勢力が強大すぎるのです。
李牧さんは、その戦力差を理解していたからこそ、正面から戦わず、砦への避難と防御に徹していました。
しかし、中央の意向に従って積極的に戦うのであれば、当然、匈奴との直接戦闘を避けられなくなります。
そして、戦闘が始まれば、兵力で劣る雁門側に犠牲者が出る可能性は高くなります。
実際、今回の展開では、中央から派遣された将軍による軍事行動が失敗し、雁門は再び大きな損害を受けることになってしまいました。
李牧さんが築いてきた防衛体制は、決して臆病な戦略などではありませんでした。
むしろ、限られた兵力で住民を守るための、合理的な選択だったわけです。
そのことが、李牧さんの更迭によって、皮肉にも証明されてしまったのではないでしょうか。
馬空慈が戦死! 馬南慈と馬風慈に訪れた悲劇
そして、今回の展開で、特に大きな衝撃を与えたのが、馬空慈の戦死です。
馬空慈は、馬南慈の息子であり、馬風慈の兄にあたる人物として描かれてきました。
雁門の若手戦士たちの中でも、重要な存在だったと考えられます。
何より、馬空慈の存在は、カイネとの関係においても重要でした。
家族を匈奴に殺されたカイネは、敵への復讐心を抑えることができず、時には周囲の制止を振り切ってでも戦おうとしていました。
そんなカイネを支え、時にはその暴走を抑える役割を果たしていたのが、馬空慈だったのです。
ところが、その馬空慈が、今回の戦闘で命を落としてしまいました。
これは、単に雁門の若手戦士が一人戦死したという話ではありません。
馬南慈にとっては息子を、馬風慈にとっては兄を失う悲劇です。
そして、カイネにとっても、自分を支えてくれていた大切な仲間を失うことになりました。
李牧さんが雁門に赴任して以来、誰一人として命を落としていなかったという事実。
その記録が、李牧さんの更迭によって途絶えてしまったわけです。
しかも、失われたのは、雁門の将来を担うはずだった若い命でした。
うーーーーん……。
これは、なかなか厳しい展開ですね。
カイネの復讐心は、再び暴走してしまうのか!?
そして、ここで気になるのが、カイネの今後です。
前回、李牧さんは、カイネに対して、自分自身の悲劇的な過去を語っていました。
かつての李牧さんも、家族を殺された復讐心に駆られ、仲間たちを率いて敵軍へ無謀な突撃を行ったことがありました。
その結果、敵将を討ち取ることには成功したものの、従兄弟の袁草や幼馴染の龍兄弟をはじめ、大切な仲間たちを全員失ってしまったのです。
だからこそ、李牧さんはカイネに伝えました。
命というものは、何よりも重く、尊く、守られるべきものなのだと。
しかし、今回の馬空慈の戦死によって、カイネは再び、大切な仲間を匈奴に奪われることになってしまいました。
しかも、馬空慈は、カイネが感情的になった時に、その行動を抑えることのできる存在でもありました。
そんな人物を失ったことで、カイネの復讐心が再び激しく燃え上がる可能性があります。
父と母、妹を殺された時の怒り。
そして今回、馬空慈まで失ってしまった悲しみ。
これらが重なった時、カイネは果たして、李牧さんから教えられた命の重さを思い出すことができるのでしょうか。
あるいは、かつての李牧さんと同じように、我を忘れて敵に突撃してしまうのでしょうか。
李牧さんの復帰と、十万規模の匈奴軍との決戦へ!?
さて、ここまでの展開を踏まえると、次に描かれる物語の方向性も、少しずつ見えてきました。
李牧さんが雁門に赴任し、徹底した防衛戦略によって住民たちを守り抜いた。
しかし、その戦略は中央から評価されず、李牧さんは更迭されてしまった。
そして、後任の将軍による軍事行動が失敗し、雁門では再び犠牲者が出てしまいました。
ここまで来れば、次に必要となるのは、李牧さんの復帰でしょう。
ただし、単に以前と同じ防衛体制へ戻すだけでは、物語としては終わらないはずです。
読み切り版の展開を踏まえるならば、この先には、十万規模の匈奴軍を相手にした李牧さんの大反撃が待っていると考えられます。
これまで徹底して戦闘を避けてきた李牧さんが、今度はどのような条件を整え、匈奴との決戦に踏み切るのでしょうか。
また、馬空慈の死を受けて、カイネや馬南慈たちは、どのように行動するのでしょうか。
李牧さんが守り抜いてきた雁門の平和は、一度失われてしまいました。
しかし、その悲劇こそが、後の李牧さんによる匈奴大討伐へとつながる転機になるのかもしれません。
それでは、ここから次回キングダム第893話の展開を予想していきましょう。
予想ポイント① 河了貂の運命はいかに!? 李牧さんの救出か、それとも飛信隊の逆襲か!?
さて、次回のキングダムで、まず気になるのは、やはり河了貂の運命です。
現在、河了貂は趙コツたちに捕らえられ、捕虜として拷問を受ける危機に直面しています。
しかも、趙コツたちは河了貂から飛信隊の居場所を聞き出そうとしているようですが……。
うーーーーん。
この人たち、本当にそんなことをやっている場合なのでしょうか??(笑)
河了貂がこの危機を切り抜ける展開として、私は大きく三つの可能性を考えています。
李牧さんが河了貂を助けに来る!?
まず一つ目は、李牧さんが直接介入し、河了貂を救出するという展開です。
これは、以前から何度か予想してきた路線ですね。
すでにカイネの部下が報告に走っていることから、李牧さんが現在の状況を把握する可能性は十分にあります。
何しろ、趙コツとカイネ軍の間では、捕虜の扱いをめぐって対立が発生しています。
このまま放置すれば、単なる意見の相違では済まず、趙軍内部で武力衝突に発展する危険すらあるでしょう。
李牧さんとしても、秦軍との戦争が続いている最中に、味方同士で争われてはたまったものではありません。
そのため、まずは両軍の衝突を防ぐために、李牧さんが介入するという可能性が考えられます。
さらに、李牧さん自身が、河了貂への拷問を認めないという展開もあり得るでしょう。
李牧さんは、これまでにも敵味方を問わず、人命や戦争の大義について独自の考えを示してきた人物です。
河了貂が秦軍の軍師であることと、捕虜としてどのように扱うべきかという問題は、必ずしも同じではありません。
まして、現在の河了貂は、すでに趙軍に拘束されている状態です。
そんな相手を拷問して情報を聞き出すという行為に対して、李牧さんが異議を唱えることは、十分に考えられるのではないでしょうか。
ただし、問題はここからです。
李牧さんが介入すれば、趙コツによる新たな讒言が発生する!?
仮に李牧さんが河了貂を救出したとして、それで問題が解決するとは限りません。
なぜなら、趙コツは郭開派閥に属する人物だからです。
李牧さんが捕虜への拷問を止めようとした場合、趙コツはその行動を、どのように受け止めるでしょうか。
素直に命令に従ってくれればよいのですが、そもそも趙コツたちは、李牧さんの指揮に全面的に従うつもりがあるのか、疑わしい軍団です。
むしろ、李牧さんの介入を、自分たちの権限を侵害する行為だと受け止める可能性があります。
そして、さらに厄介なのが、その後の政治的な動きです。
例えば、こんな報告が郭開のもとへ届けられたら、どうなるでしょうか。
趙コツ『郭開様!! 李牧が秦軍の軍師を庇い、我らの尋問を妨害しました!!』
郭開『何だと!?』
趙コツ『しかも、あの河了貂という女、李信の側近中の側近です!!』
郭開『つまり、李牧は敵軍の重要人物を守ったということか!?』
趙コツ『その通りです!! これは秦軍との内通を疑われても仕方ありません!!』
……。
いや、また始まったよ。
しかし、李牧さんが軍事的・人道的な判断として行った行動を、郭開派閥が政治的な攻撃材料に転用するという展開は、十分にあり得ると思います。
そもそも、李牧さんは、これまでも朝廷内部の政治的な思惑に振り回されてきました。
今回も、河了貂を救出したことが、新たな讒言の材料にされてしまうかもしれません。
つまり、李牧さんによる救出ルートでは、河了貂自身は助かっても、今度は李牧さんの政治的な立場が危うくなる可能性があるわけです。
河了貂を助けることが、李牧さん自身の首を絞める結果にならないか。
ここまでが、今回の予想で注目しておきたい論点です。
予想ポイント② 趙コツたちが拷問している間に、飛信隊・蒙恬軍・羌瘣軍が襲来する!?
そして、二つ目の可能性です。
こちらは、もっと直接的な展開になります。
趙コツたちが河了貂の拷問なんてやっている間に、飛信隊・蒙恬軍・羌瘣軍の逆襲を食らってしまうのではないでしょうか!?(笑)
いや、これ、普通にあり得ると思うんですよ。
そもそも、趙コツたちは、河了貂を拷問して李信たちの居場所を聞き出そうとしているわけですよね。
しかし、ちょっと考えてみてください。
秦軍の追撃を行っても李信たちが見つからないのであれば、すでに安全な場所まで離脱している可能性が高いでしょう。
そして、李信たちが安全圏まで脱出したのであれば、次に何をするのか。
そんなもの、決まっています。
軍を立て直して、再び趙軍に襲いかかってくるに決まっているでしょうが!!(笑)
まして、相手は飛信隊だけではありません。
蒙恬軍や羌瘣軍も、秦軍の戦力として存在しているのです。
それぞれの部隊が態勢を立て直し、再び連携して攻撃してくる可能性を考えれば、趙軍としては、まだまだ気を抜ける状況ではないはずです。
にもかかわらず、趙コツたちは何をやっているのでしょうか。
河了貂を捕まえたからといって、もう戦争に勝ったつもりなのでしょうか??
一軍の大将が直々に拷問なんかしている場合か!?
そもそも、趙コツは一軍を率いる立場の人間です。
そのような人物が、捕虜の拷問に時間を費やしている場合ではないでしょう。
河了貂から情報を聞き出すことに軍事的な価値があるとしても、尋問の実務は部下に任せることができます。
一方で、敵軍の動向を把握し、再襲撃に備えるという仕事は、指揮官が責任を持って行わなければなりません。
それこそ、李牧さんたちと協力して、広域哨戒と索敵に全神経を集中させるべき状況なのです。
秦軍がどこへ退却したのか。
どの程度の戦力を維持しているのか。
再集結する可能性はあるのか。
そして、次にどの方面から攻撃してくるのか。
これらの情報を把握することこそ、現在の趙軍にとって最も重要な仕事でしょう。
ところが、趙コツたちは、そんなことよりも河了貂の拷問に夢中になっているように見えます。
お前ら、戦争が終わったとでも思っているのか!?(笑)
そもそも趙コツ軍は、李牧さんの指揮に従うつもりがない!?
しかも、今回の問題は、単に趙コツ個人の判断が甘いという話ではありません。
もっと根本的な問題があります。
それは、趙軍の指揮系統が、最初から一枚岩ではないという点です。
李牧さんを中心とする軍団と、郭開派閥に近い趙コツたち。
この両者が、完全に同じ目的と判断基準で動いているとは限りません。
むしろ、趙コツたちは、もともと李牧さんの言うことを素直に聞くつもりがない軍団の集まりではないでしょうか。
そうなると、当然、戦場での連携にも問題が発生します。
例えば、李牧さんが秦軍の再襲撃を警戒して、各部隊に哨戒や防衛準備を命じたとします。
ところが、趙コツ軍がその命令を軽視し、自分たちの判断で勝手に行動していたら、どうなるでしょうか。
他の部隊が警戒態勢を維持している中で、趙コツ軍だけが戦闘終了気分になってしまう。
結果として、趙軍全体の防衛線に、明らかな隙が生まれてしまうのです。
もちろん、現在の飛信隊側が、趙軍内部の政治的な対立を正確に把握しているとは限りません。
むしろ、知らないことの方が自然でしょう。
しかし、だからといって、その隙を突かれないとは限らないのです。
李牧さん・傅抵・紀彗・馬呈が必死に索敵する一方で、趙コツ軍だけ宴会中!?
実際に、李牧さんは、飛信隊本軍の所在を突き止めるため、必死に索敵を続けています。
傅抵や紀彗、馬呈たちも、それぞれの部隊を率いて秦軍の動向を警戒している。
秦軍が再び攻撃してくる可能性を考え、各方面に哨戒部隊を展開しているわけです。
ところが、その一方で……。
趙コツ軍だけが、砦に引っ込んで、酒と女でどんちゃん騒ぎしていたわけですよね、。
趙コツ『いやー、秦軍の軍師まで捕まえたんだから、もう我々の大勝利でしょう!!』
部下『さすが趙コツ将軍!!』
趙コツ『李牧なんぞがいなくても、秦軍など恐るるに足りませんな!!』
部下『では、今夜は祝勝会ですな!!』
趙コツ『うむ!! 酒を持ってこい!!』
……。
いやいやいや。
お前らだけ、もう戦争終わったことになってるじゃねーか!!(笑)
しかも、こんな状況になっていたら、敵軍から見ても、明らかにおかしいでしょう。
李牧さんの指揮下にある他の部隊は、広域哨戒を続け、厳重な警戒態勢を敷いている。
ところが、趙コツ軍の担当区域だけ、部隊の動きが鈍く、警戒も手薄になっている。
これは、軍事的に見れば、非常に危険な状態です。
蒙恬や羌瘣なら、趙軍の異変を見抜いてしまうのでは!?
そして、ここで重要なのが、秦軍側の指揮官たちです。
李信であれば、敵軍の隙を発見した瞬間に、勢いよく突撃してしまうかもしれません。
しかし、蒙恬や羌瘣であれば、もう少し冷静に状況を分析するでしょう。
例えば、秦軍の斥候から、こんな報告が入ってきたとします。
秦軍斥候『報告!! 趙軍の各部隊は広範囲に哨戒を続けていますが、一部の砦だけ、警戒活動が極端に少なくなっています!!』
蒙恬『……ん?』
羌瘣『……妙だな。』
秦軍斥候『他の部隊と比較しても、明らかに動きが違います!!』
蒙恬『もしかして、あそこだけ指揮系統が違うのかな?』
羌瘣『少なくとも、他の部隊と連携できていない可能性がある。』
蒙恬『……じゃあ、そこを攻撃してみようか。』
……。
あっ。趙コツ軍、終わった。(笑)
もちろん、秦軍が実際に趙軍内部の派閥対立まで見抜けるとは限りません。
しかし、部隊ごとの警戒態勢や行動に明らかな差があれば、そこを攻撃目標として選ぶことは十分に考えられます。
敵軍の政治的な事情を知らなくても、軍事行動の不自然さから弱点を見つけることはできるわけです。
そして、趙コツ軍が他の部隊と十分に連携できていないのであれば、攻撃を受けた際の救援や反撃も遅れる可能性があります。
その結果、秦軍に局所的な突破を許してしまうかもしれません。
趙軍最大の弱点は、秦軍ではなく内部の不統一なのか!?
こうして考えると、今回の河了貂の捕縛は、趙軍にとって必ずしも有利な出来事とは限りません。
河了貂を捕虜にしたことで、趙コツたちは戦果を挙げたつもりになっている。
しかし、その捕虜の扱いをめぐってカイネ軍と対立し、李牧さんの介入まで招くことになれば、趙軍内部の不統一は、さらに深刻化するでしょう。
その間にも、飛信隊・蒙恬軍・羌瘣軍は、再攻撃の機会をうかがっている可能性があります。
そして、もしも趙コツ軍だけが警戒を怠っていたならば、そこが秦軍の攻撃目標になってしまう。
つまり、河了貂を捕まえたことが、かえって趙軍全体の防衛体制を崩す原因になるかもしれないのです。
李牧さんが、どれだけ優れた戦略を立てていても、配下の軍団が命令に従わず、勝手に行動していたのでは、どうにもなりません。
まして、秦軍には蒙恬や羌瘣のように、敵の弱点を冷静に分析できる指揮官が存在しています。
このまま趙コツたちが、河了貂の拷問にばかり夢中になっているようであれば……。
次回、趙コツ軍が飛信隊の逆襲を食らって、あっという間に壊滅してしまう展開も、十分にあり得るのではないでしょうか!?
そして、その混乱こそが、河了貂の脱出につながる可能性もあります。
予想ポイント③ エクスペンダブルズ昂、ついに出撃!? 河了貂救出の切り札は、やはり昂クンしかいない!!
さて、河了貂の救出について、ここまで二つの可能性を考えてきました。
一つ目は、李牧さんが介入して、趙コツたちによる拷問を阻止するという展開。
二つ目は、飛信隊・蒙恬軍・羌瘣軍が趙軍の隙を突いて逆襲し、その混乱の中で河了貂を救出するという展開です。
しかし、ここで第三の可能性を考えてみましょう。
何だかんだ言っても、河了貂ですよ。
飛信隊の仲間たちからも、蒙恬からも、そして何より……。
神様だって、連載初期からのお気に入りキャラクターなんですから、そう簡単に死なせるわけがないでしょう!!(笑)
もちろん、ここでいう神様とは、キングダムの創造主であらせられる原泰久先生のことです。
連載初期から登場し、飛信隊の軍師として長年活躍してきた河了貂。
そんな重要人物が、趙コツたちの拷問によって、あっさり退場してしまうとは考えにくいのです。
問題は、河了貂が助かるかどうかではありません。
いったい、誰が、どのような方法で助けるのか!?
ここが最大の問題なのです。
飛信隊は河了貂救出のために、大軍を動かすことができない!
まず、現実的な軍事状況を考えてみましょう。
飛信隊としても、河了貂を救出したい気持ちは当然あるはずです。
しかし、だからといって、飛信隊の主力を救出作戦のために別行動させるわけにはいきません。
何しろ、現在は趙軍との戦争の真っ最中です。
李信が河了貂の救出に向かってしまえば、その間、飛信隊の指揮はどうなるのでしょうか。
また、河了貂一人を救出するために大軍を動かせば、当然、趙軍にもその動きを察知されてしまいます。
そうなれば、救出作戦どころか、飛信隊全体が危機に陥る可能性すらあるわけです。
では、どうすればよいのでしょうか。
ここで必要になるのは、大軍による正面攻撃ではありません。
敵の警戒網を突破し、河了貂の居場所を特定して、迅速に救出する。
そんな、少数精鋭による特殊作戦なのです。
そして、飛信隊には、その任務を遂行できる男が存在しています。
そうです。
ついに、あの男の出番がやってきました!!
少数特別精鋭部隊「エクスペンダブルズ昂」、ここに誕生!!
エクスペンダブルズ昂。
それは、昂クンを中心に編成された、飛信隊最強の少数精鋭特殊作戦部隊です。
今回の河了貂救出作戦には、これ以上ふさわしい戦力は存在しないのではないでしょうか。
まず、作戦の第一段階。
河了貂の居場所を特定しなければなりません。
普通であれば、斥候を放ち、趙軍の警戒網をかいくぐって情報を収集する必要があります。
ところが、昂クンには、そんな面倒な手続きは必要ありません。
何しろ、彼には、あの能力があるのです。
精密射撃粒子!!
そう、昂クンは、はるか遠方まで、自由自在に動き回る精密射撃粒子(略して精子)を飛ばし、河了貂の居場所を探知することができるのです!!
昂クンの精密射撃粒子が、半径100kmから河了貂を発見!?
飛信隊本陣。
李信たちが河了貂の行方について頭を悩ませているところへ、昂クンが現れます。
昂クン『信、オイラ、テンの居場所を突き止めたよ。』
李信『早っ!! どうやって!?』
昂クン『オイラの精密射撃粒子(精子)を半径100kmに飛ばしていたら、引っかかった。間違いない。』
李信『マジかよ!! って、精密射撃粒子って何?』
昂クン『うん。まあ、あれだ。見聞色の“雄気”だ。それよりテンは、趙軍の砦に捕まってる。』
李信『え? 見聞色の?? な、なんか聞いたことが……。でも分かった。よし!! すぐに救出だ!!』
蒙恬『待て、信!!』
李信『何だよ、蒙恬!?』
蒙恬『見聞色って言ったら……さすがにそれ、原先生の立場が……。』
蒙恬『あ、いや、何でもない。“雄気”だから大丈夫、な、はず……。それより、お前が行ったら、飛信隊の指揮はどうなる!?』
李信『うっ!!』
昂クン『大丈夫です、蒙恬将軍。』
蒙恬『……き、君は?』
昂クン『オイラと羌礼の二人で、テンの救出は可能です。』
李信『お、お前ら二人で!?』
昂クン『はい。あとは、オイラの側近を数人連れていきます。』
蒙恬『…………。』
昂クン『信と羌瘣さんと蒙恬将軍は、安心して目の前の敵を撃破してください。』
これぞ、エクスペンダブルズ昂!!
飛信隊の未来を担う、特殊作戦部隊の誕生です!!
昂クン&羌礼、わずか数人で趙軍の砦に潜入!
こうして、昂クン率いる少数精鋭部隊が出撃します。
構成員は、昂クン、羌礼、そして昂クンの側近数名。
大軍を動員する必要はありません。
目的は、趙軍を撃破することではなく、河了貂を救出することなのです。
そして、彼らは趙軍の警戒網を突破し、河了貂が捕らえられている砦へと接近します。
本来であれば、敵軍の砦に少人数で潜入するなど、極めて危険な作戦でしょう。
しかし、今回の相手は趙コツ軍です。
何しろ、趙コツ軍は、砦に女たちを集め、風紀が乱れている軍団として描かれています。
つまり、軍紀が緩み、警戒態勢にも隙が生じている可能性があるわけです。
普通の特殊部隊であれば、この隙を利用して潜入するのでしょう。
しかし、昂クンの場合は、少し事情が違います。
なぜなら、趙コツ軍は、絶対にやってはいけないことをしてしまったからです。
中途半端に「雄度」を見せつけてしまったのです!!
趙コツ軍、最大の失敗! 中途半端な雄度が獅子を呼び寄せてしまった!?
そもそも、趙コツ軍は、李牧さんたちのように真面目に働いていればよかったのです。
広域哨戒を行い、秦軍の動向を警戒し、与えられた軍事任務を着実に遂行する。
そんな、働きアリのような軍団に徹していれば、昂クンから目を付けられることもなかったでしょう。
ところが、彼らは違いました。
砦に女を集め、酒を飲み、戦争が終わったかのように振る舞っていたのです。
つまり、半端な雄度を誇示してしまったわけですね。
しかし、それが致命的な間違いでした。
何しろ、相手は昂クンです。
本物の雄を前にして、中途半端な雄度を見せつけてしまった。
それは、まるで、獅子の縄張りで、自分こそが百獣の王だと吠えてしまったようなものです。
昂クンからすれば、そんな連中を見逃すわけにはいきません。
もはや、河了貂の救出以前の問題なのです。
趙コツ軍は、触れてはならない存在に触れてしまいました。
昂クン、ついに究極奥義「雄気」を解放!!
そして、ついに、その時が訪れます。
趙コツ軍の砦。
城壁の上では、趙兵たちが相変わらず酒を飲み、騒いでいます。
趙兵A『いやー、秦軍の軍師まで捕まえたんだから、もう戦争は終わったようなものですな!!』
趙兵B『李牧様はまだ警戒しているらしいが、心配しすぎだろ!!』
趙兵C『それより、今夜はもっと女を呼ぼうぜ!!』
……。
その時です。
砦の正面に、一人の小柄な男が現れました。
昂クンです。
昂クン『…………。』
趙兵A『ん? 何だ、あの小僧は?』
趙兵B『秦兵か? 一人で何をしに来たんだ?』
昂クン『…………。』
昂クンは、ただ静かに、城壁を見上げています。
そして、次の瞬間。
ゴオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
昂クンの全身から、凄まじい「雄気」が放たれました!!
趙兵A『ぐっ!?』
趙兵B『な、何だ、この圧力は!?』
趙兵C『う、うわああああああ!!』
バタバタバタバタバタッ!!

なんと、昂クンが一人で城壁に向かって雄気を放っただけで、趙コツ軍の兵士たちが次々と気絶していくではありませんか!!
城壁の上にいた兵士たちも。
門を守っていた兵士たちも。
砦の中で酒を飲んでいた兵士たちも。
そして、趙コツ本人まで!!
趙コツ軍、全員気絶!!
昂クン『……よし。』
羌礼『…………。』
昂クン『礼、行こう。テンを迎えに行くよ。』
羌礼『……あ、ああ。』
……。
こうして、エクスペンダブルズ昂は、ほとんど戦闘らしい戦闘を行うこともなく、趙軍の砦を制圧してしまったのでした。
河了貂のサルベージ、あまりにも簡単に完了!
砦の中へ侵入した昂クンたちは、すぐに河了貂を発見します。
河了貂『あ、昂!? どうしてここに!?』
昂クン『テン、迎えに来たよ。』
河了貂『えっ!? でも、外には趙軍が……。』
昂クン『大丈夫。みんな寝てるから。』
河了貂『…………は??』
羌礼『……説明は後だ。とにかく帰るぞ。』
河了貂『ちょ、ちょっと待って!? 何が起きたの!?』
昂クン『大丈夫だよ、テン。オイラが全部片付けたから。』
……。
河了貂のサルベージ、完了ッ!!
何ということでしょう。
飛信隊が大軍を動員することもなく。
李牧さんが趙コツ軍と政治的な対立を起こすこともなく。
昂クンと羌礼、そして数人の側近だけで、河了貂の救出に成功してしまいました。
しかも、趙コツ軍は全員気絶しているので、追撃すらできません。
これぞ、少数精鋭による完璧な特殊作戦!!
エクスペンダブルズ昂、初陣にして大戦果です!!
いや、シャ〇クスの覇気じゃないですよ!? あくまでキングダム独自の「雄気」ですからね!?
……。
え?
何ですか??
今の昂クンの技、どこかで見たことがある??
たった一人で敵軍の前に立ち、強烈な気迫を放つだけで、周囲の兵士たちを次々と気絶させる。
まるでワ〇ピースのシャ〇クスみたいじゃないかって??
……。
い、いやだなあ~。
これは、あくまでキングダム独自の設定である「雄気」ですよ!?
ワ〇ピースの「覇気」とは、まったく関係ありません。
いいですか。
シャ〇クスが使うのは「覇気」。
昂クンが使うのは「雄気」。
漢字も違うでしょう!?
しかも、昂クンの場合は、単に相手を威圧しているのではありません。
その圧倒的な雄度によって、周囲の男たちを屈服させているのです。
つまり、原理からして違うわけですよ!!
……。
え?
やっていることは同じじゃないかって??
い、いやいやいや!!
わ、私たちの神であらせられる原泰久先生が、他の漫画の設定をパクるなんて、あるわけないじゃありませんか!!
そ、そんなことを言ってはいけません!!
これは、キングダムの完全オリジナル能力!!
「雄気」です!!
決して「覇気」ではありません!!
河了貂救出の第三の可能性! 昂クンの特殊部隊が戦局を変える!?
このように、河了貂の救出に、少数精鋭の部隊が投入されるという展開そのものは、十分に考えられると思います。
何しろ、現在の飛信隊は、河了貂を救出するためだけに、大軍を動かせる状況ではありません。
その一方で、趙コツ軍の警戒態勢や軍紀に問題があるのであれば、少人数による潜入作戦が成功する余地もあります。
そして、飛信隊には、羌礼のように少人数で高い戦闘能力を発揮できる人物が存在しています。
昂クンも、連載初期から登場してきた飛信隊の仲間です。
そんな彼が、河了貂を救うために、ここで大きな役割を果たすという展開があっても、面白いのではないでしょうか。
李牧さんが助けるのか。
飛信隊本軍が逆襲するのか。
それとも、昂クン率いるエクスペンダブルズ昂が、華麗な特殊作戦で河了貂を救い出すのか。
次回のキングダムでは、河了貂の救出劇が、どのような形で描かれるのかに注目したいと思います。