2026年7月2日発売予定の、週刊ヤングジャンプ掲載予定『キングダム』第881話。
第880話では、飛信隊が依然として李牧さん率いる趙軍の包囲網の中で苦戦を続ける展開となりました。
羌瘣は限界まで戦い続け、羌礼も怒りに任せて突撃しようとするほど追い詰められています。
しかし、私は今回の戦場を見ていて、一つ気になる点がありました。
それは、
「実は追い詰められているのは飛信隊だけではない。」
ということです。
今回は、第881話で戦場がどのように動くのか、盤面全体を整理しながら予想していきます。
楽華軍の到着が戦場を大きく揺らす
まず最大のポイントは、やはり楽華軍です。
蒙恬率いる楽華軍が到着したことで、飛信隊は初めて「完全孤立」ではなくなりました。
もちろん、現時点での楽華軍は決して大軍ではありません。
この兵力だけで飛信隊を救出できるほど甘い状況ではないでしょう。
しかし、重要なのは兵数ではありません。
戦場の向きが変わることです。
これまで李牧さんは、飛信隊を完全包囲し、その一点へ戦力を集中させていました。
ところが、その背後に楽華軍という新たな敵が現れた。
これは李牧さんにとって、決して無視できる存在ではありません。
楽華軍の目的は明らかです。
飛信隊を助けること。
そのためには当然、李牧さん本陣へ圧力を掛けてくるでしょう。
つまり、飛信隊を包囲している趙軍は、背後への警戒を強めざるを得なくなります。
包囲戦というものは、一か所でも兵が薄くなれば、その瞬間に突破口が生まれます。
飛信隊がこの戦いで趙軍を撃破する必要はありません。
必要なのは、
「どれだけ多くの飛信隊兵士が包囲網から這い出せるか。」
その一点です。
当然、第881話は「勝利の回」ではなく、「脱出の回」になると考えています。
李牧さん側にも見逃せない弱点が残っている
飛信隊の苦境ばかりが描かれていますが、実は趙軍側にも気になる点があります。
それが前線です。
李牧さんは今回、飛信隊を仕留めるため、かなり大規模な兵力を集めています。
逆に言えば、それぞれの前線には二割程度しか兵を残していません。
すると当然、気になるのは残された各戦線です。
ヨコヨコ軍。
洛亜章軍。
そして録嗚未軍。
彼らが、黙ってその様子を見ているとは到底思えません。
むしろ、李牧さんが飛信隊包囲に集中している今こそ、各地で反撃を開始している可能性があります。
もし前線で趙軍が押し返され始めればどうなるでしょうか。
李牧さんは飛信隊だけに兵を集中し続けることが難しくなります。
飛信隊を包囲するか。
それとも前線を救援するか。
どちらも重要であり、どちらかを選べば、もう一方に隙が生まれる。
これこそが秦軍最大の狙いではないでしょうか。
最大の敵は戦場ではなく邯鄲城内かもしれない
もう一つ、忘れてはいけない存在がいます。
郭開です。
李牧さん最大の政敵であり、趙王側の中心人物。
今回、公孫龍は王都軍を事実上独断で動員しています。
もちろん、勝てば問題ありません。
しかし、もしここで失敗すれば話は変わります。
郭開からすれば、
「王都軍を勝手に動かした。」
「王命を軽視した。」
「責任は誰が取るのか。」
そう趙王へ吹き込む絶好の材料になります。
つまり李牧さんは、飛信隊との戦いだけを考えていればいい状況ではありません。
戦場の勝敗だけでなく、邯鄲城内での政治闘争も同時進行しているのです。
これまでも李牧さんは、敵より味方に苦しめられる場面が数多く描かれてきました。
今回も、その政治的リスクが再び顔を出す可能性は十分あるでしょう。
最大の伏線は、やはり昂クン
そして最後に触れておきたいのが、昂クンです。
第880話で李信は羌礼に向かって、
「昂クンのところへ行くな。」
と制止しました。
ところが、その昂クン本人は一切登場していません。
この演出が非常に気になります。
漫画では、
名前だけを出して本人を隠す。
これは次回以降の登場を予感させる、非常に分かりやすい伏線です。
作者は読者に、
「そういえば昂クンは何をしている?」
と意識させたかったのでしょう。
私は、第881話でその伏線が回収される可能性は十分あると考えています。
楽華軍が背後から攻撃を開始する。
趙軍包囲網がわずかに揺らぐ。
その混乱の中。
城壁の上。
あるいは高所から。
静かにチンコを構える昂クン。
昂クン『フッ、ようやく敵が揃ったか…。』と一言。
第一射…、ボッ!!
『チン槍、神死にの槍!!』
敵将を撃ち抜く。
二射目。
伝令を倒す。
三射目。
軍旗を支える兵を射抜く。
敵は何が起こったのか理解できない。
しかし、そのわずかな混乱こそが、飛信隊には十分な時間になります。
李信が叫ぶ。
「今だ!!」
飛信隊が一斉に突破を開始する。
昂クンが趙軍を全滅させる必要はありません。
ほんの数十秒。
指揮系統を乱すだけで十分なのです。
まさに戦略兵器としての投入。
その程度に描写を押さえる事で、李牧さんも楽華軍の面子も潰さずに、お話を進める事が可能になります。
考察 李牧さん、持ち場を離れて本当に大丈夫なのか?
もう一つ、私が気になっていることがあります。
それは、
「李牧さん、自分の持ち場を離れて大丈夫なの?」
という点です。
今回、李牧さんは自ら飛信隊包囲の最前線へ出てきました。
しかし、少し前までの戦場を思い出してください。
李牧さんは司馬尚軍、顔射軍(ガンシュ軍)、各方面の趙軍を自ら巡回しながら、その都度戦況を立て直していました。
つまり現在の趙軍は、
李牧さん本人が現場で直接指揮して、ようやく秦軍と均衡を保っている状態。
言い換えれば、
李牧さんがいなくなった瞬間、その均衡が崩れる危険性を常に抱えているわけです。
実際、無事そうなのは、
青歌軍が楊端和を戦線離脱寸前まで追い込んでいる馬南慈軍。
そして、兵力で圧倒している霊呪公軍くらいでしょう。
しかし、それ以外の戦線はどうでしょうか。
録嗚未軍。
王翦軍。
彼らは李牧さんという"戦場全体の司令塔"がいなくなった今、その隙を突いて猛攻を開始していても何ら不思議ではありません。
もちろん、李牧さんも飛信隊を討ち取る価値は理解しています。
しかし、それは短時間で決着が付くことが前提です。
もし飛信隊を討ち漏らし、戦闘が長引けばどうなるでしょう。
各戦線では秦軍の攻勢が始まり、
趙軍は各地で押し込まれる。
李牧さんは飛信隊を包囲したまま戻ることもできず、
かといって包囲を解けば飛信隊を逃がす。
完全な板挟みです。
そして何より厳しいのが、
ここまでの戦果です。
当ブログの読者様からもコメントでご指摘をいただきましたが、
もしこのまま飛信隊を取り逃がした場合、
李牧さんは約十万人もの兵力で一万人規模の飛信隊を包囲しながら、
討ち取ったネームド武将は、
百人隊長・惇角ただ一人。
……という結果になってしまいます。
もちろん、一般兵にも相当数の損害は与えているでしょう。
しかし、物語として見た場合、
「飛信隊壊滅作戦」の成果としては、あまりにも寂しい戦果です。
しかも、その代償として、
他の戦線まで押し返されていたとなれば、
これはもう戦術的勝利どころか、
戦略的敗北と言われても反論が難しいでしょう。
歴史では、この後の李牧さんは更迭される運命が待っています。
もちろん、その直接の理由は政治です。
しかし読者目線で見れば、
「いや、これだけ大軍を動かして飛信隊も逃がし、前線まで崩れたら、更迭されても仕方ないのでは……。」
そんな声が上がっても不思議ではありません。
さて、第881話。
李牧さんは飛信隊へ最後の一撃を加えることができるのか。
それとも、自ら持ち場を離れた代償を払うことになるのか。
私は、この点も大きな見どころになると予想しています。
まとめ
第881話は、飛信隊が趙軍を打ち破る回ではないと思います。
本当のテーマは、
「包囲網をどうやって突破するか。」
ここに尽きます。
そのためには、
・楽華軍による背後からの圧力。
・各前線での秦軍の反撃。
・兵力を分散せざるを得ない李牧さん。
・郭開による政治的リスク。
そして、
最後の決定打として伏線だけが張られた昂クンの登場。
これら複数の要素が重なることで、ようやく飛信隊に活路が見えてくるのではないでしょうか。
果たして次回、包囲網は崩れるのか。
そして昂クンは、ついに姿を現すのか。
第881話の展開に期待したいと思います。